2014 天皇杯準決勝 ベストメンバー

サッカー天皇杯準決勝、
清水はガンバ大阪と対戦。
2-5で敗退した。

リーグ戦で残留争いをする中、
前節から中3日、次節まで中2日の日程ということで、
先発の平均年齢が22.5歳という、
普段サブやベンチ外のメンバーで戦った清水。

3冠を狙うガンバは普段通りのメンバーで、
序盤に2点を奪われる苦しい展開だったけど、
一時は同点に追いつくなど奮闘。

結局、敗退という悔しい結果に終わったけれど、
2-5という数字ほど圧倒されたわけじゃなくて、
ミス以外は、満足できる戦いだった。

一発勝負の大会で、内容うんぬんは、
ナンセンスなのかもしれないけど、実際そうだった。

清水はゴールキーパーの櫛引と、
リーグ戦で次節出場停止のヤコヴィッチを除く、
9人を入れ替えて、3冠を狙うガンバと戦った。

正しいメンバー選びだったと思った。

清水にとっては13年ぶりのタイトルよりも、
優勝賞金1億円よりも、
優勝で得られるACL出場権よりも、
J1残留に一番の価値を見出した。

それに、リーグ戦と同じメンバーを
先発させたとして、パフォーマンスが
低調に終わる危険もあった。

この試合にリーグ戦と同じスタメンで臨んだら、
中2日で迎える柏戦に疲労が残るとか、
怪我人が出る心配とかいう以外にも、

J1残留を最も大事にしている中で、
今日の試合にどれだけ体力を使えるか、
どれだけ集中して戦えるか微妙で。

そう考えたとき、実は今日のメンバーが
この試合のベストメンバーだと、僕は思っていて。

偶然かもしれないけれど、
リーグ戦の前節出てた2人、
櫛引とヤコヴィッチのミスが、
ほとんどの失点に絡んでたわけで、
今日入れ替わって出たメンバーは良かった。

特に前半の途中からは、
全体での守備とボールを奪ってからの素早い攻撃、
テンポあるパス回し、格上相手にも冷静な判断、

ガンバの選手が中3日で重かったとはいえ、
出足の早さでボールを奪い取り、
鋭い攻撃をする選手たちのパフォーマンスは、
楽しかったし、これから先を考えてワクワクした。

これが本来、大榎監督がやりたいサッカーのはずで、
体力がまだ大榎サッカーに対応してないから
90分間もたなかったけど、
来シーズンの大榎監督体制に期待が持てる内容でもあった。

そのためには、J1残留が絶対だけど。

ただ、小さくない不安がある。
それは、誰もが感じた、ディフェンス陣のミス。

たびたび、失点につながるミスをした、
櫛引とヤコヴィッチは、前節のスタメンの2人だった。

チーム全体で食らいついてたのに、
失点に直結するような、
試合を壊したといってもいいミスを犯した。

中でもゴールキーパーの櫛引が連発したのは、
これから2試合に不安が残った。

今日の試合に始まったことじゃなく、
今シーズンは精彩を欠くシーンが多い櫛引は、
不調の状態から抜け出せていない。

これは技術が落ちたとかじゃなくて、
精神的な部分が大きそうで。

クロスを上げられたときの対応や、
セットプレイでのポジショニング、
予測できないボールへの反応などなど、
迷いや一瞬集中力が途切れることが、
ミスにつながってることが多い。

そしてミスで自信を失って、
さらにミスを生むという悪循環。

頭の反応が、遅れてる感じがする。

スランプとはまた違っていて、
言い方が良くないかもしれないけれど、
サッカー選手に珍しくない、
うつ状態に近いようにも見える。

21歳でチームの守護神を任されたうえに、
正直、他のキーパーとは実力差がある。
自分がやらなきゃまずいという責任感。
その中でチームの結果が出ず、
しかも失点が減らないという焦り。

ディフェンス陣に外国人選手が多く、
コミュニケーションも取りづらく、
GKコーチも外国人で、
相談するには言葉や文化の問題がある。

今の環境は、若いゴールキーパーには、
良くないものだと思う。

って言っても、これから2試合で
その環境を改善できるわけじゃない。

残り2試合で極力ミスを減らすには、
チーム全体で、櫛引が自信を持てるよう、
コミュニケーションをとるしかないと思う。

来シーズンに向けてはゆっくり休んでもらって、
悩みや動きの相談をしやすい、
日本語が話せるゴールキーパーコーチを
チームに迎え入れる必要があると思うけど、
とりあえずこれからの2試合。

今、ゴールキーパーを変えたら、
コンビネーションへの不安で、
ディフェンスラインに、悪影響が出るはず。

櫛引しかいないわけで、
まずは今日のミスを引きずらないよう、
チーム全体にサポートしてほしいと思う。

スタジアムでは、ヤジは絶対ナシで、
とにかく気持ちを盛り上げてほしいと思う。

そして土曜のリーグ戦、アウェイ・柏戦。

清水は今日の試合に敗れたけれど、
次節の先発候補のうち、
フィールドプレイヤー9人を休ませることができた。

コンディション的に、
普段のアウェイと同じ状態で戦える。

そしてメンタル的には、
普段のアウェイ以上の状態で臨める。

柏戦のスタメンは、今日の試合を見て、
相当いいモチベーションを持てると思う。
ある意味、自分たちを休ませてくれたメンバーが、
今日の試合でいい戦いを見せてくれたわけだから。

メンタル強化のため、
チームが選手に学ばせた「他喜力」。

人を喜ばせるために戦うという気持ちは、
サポーターへ、チームスタッフへ向けられている。

今日の試合を経て、そこへ加わるのが、
「仲間のため」という強烈なモチベーション。

土曜日の柏戦、心も含めた総力戦は、
きっといい結果をもたらすと思う。

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