2015 J1 1st第14節 すべてがうまくハマった試合

J1 1stステージ第14節、
清水はホームで川崎と対戦し、5-2で勝利。

選手も戦術も、リーグ戦とナビスコ杯を
ミックスしたような戦い方で、
大榎監督が意図した通りの化学反応が起こって、
みごとなパスワークから5得点。

順位は17位と変わらないものの、
大榎監督が目指しているだろうサッカーをして、
大きな成功体験と自信を得た試合になった。

そして、元清水の岡崎慎司が、
ドイツ移籍でこじれて以来、約4年ぶりにアイスタへ訪れ、
ハリルホジッチ日本代表監督が、
きっと川崎の選手の視察に訪れた中、
清水は、いい印象を残すパフォーマンスを見せた。

試合を見てて楽しくてたまらない、
今シーズン、今のところのベストゲームだった。

1試合ごと一喜一憂すべきじゃないとはいえ、
ここまで10憂くらいしたはずだから、
1試合で10喜くらいしたくもなるわけで。

試合前に選手の名前を見たとき、
正直、この試合は厳しいんじゃないかと思った。
リーグ戦とナビスコ杯のメンバーがミックスしたことで、
全体がどこまで連動して動けるのか。

中盤に石毛と水谷を入れて、
ディフェンスラインの真ん中に福村を入れたってことは、
ラインを高く保とうとしているはずで、
全体が連動しなかったら、湘南戦の二の舞になるわけで。

試合に入って、僕の間違いだと分かった。
全体が、しっかり連動していた。

もちろん、川崎が大久保や小林悠不在で、
ディフェンスラインの裏を
うまく突けなかったのはあると思う。

清水と川崎のコンディションの差もあって、
3日前のナビスコ杯で、
清水が多くの選手を休ませたのに対して、
川崎は勝ち抜けのために主力を出したことで、
川崎の方が中2日の選手がかなり多かった。

それはありつつも、
清水が高いディフェンスラインを保ちながら、
簡単に裏へは抜けさせない工夫ができていた。

ボールの出どころを封じる積極的なプレス、
臨機応変に対応するディフェンスライン。

そしてみごとだったのは、
高いディフェンスラインの裏へ抜けたボールを、
櫛引が飛び出すことで防いだ場面が、
かなりあったことだった。

この飛び出しがあったからこそ、
ディフェンスラインを高く保つことができ、
中盤が戻るために使う運動量を
最低限に抑えることができていた。

逆にあの飛び出しがなかったら、
またやられていたのかもしれない。
これまでだったら、飛び出さずやられていたり、
カウンターを受け続けることで消耗して、
後半にプレスがかからなくなっていたと思う。

今回は、みごとにハマっていた。

そうなると全体に余裕が生まれるわけで、
すべてのプレーが正確になる。
視野も広くなり、次にすべきことが正しくなる。

最近うまく崩せるようになってきた中で、
正確なプレーができたことで、
パスでの崩しもショートカウンターも迫力を増していた。

アグレッシブさでいえば、
開幕戦の鹿島戦での勝利に近かったけれど、
鹿島戦は個の能力に頼る攻撃だった。

それが、全体が連動して攻撃できていた。
だから見ていて、開幕戦以上に楽しかった。

試合後、相手の川崎・風間監督は、
自らのチームに向けて、
「こんな雑なサッカーは見たくない」と、
バッサリと切り捨て、怒りを露わにした。

水曜のナビスコ杯神戸戦でのネルシーニョ監督も、
「会見に来るのが恥ずかしい」というほど、
相手はうまくいかなかった。

それは相手の出来の悪さもある。
ただ同時に、相手の出来を悪くした、
清水の全体での連動した動きもあると思う。

ここまで試行錯誤してきて、
選手も監督も成長を続け、
攻撃の形が作れてきた中で、
ようやく守備の面でもうまくハマった。

どこまでの相手に通用するのか分からないし、
夏場にこのサッカーができるか分からない。
研究されたときもうまくいくかは分からない。

でも、今の形で完成度を高めていくことが、
勝ち点を重ねるために歩んでいく道なんじゃないかと、
思えた試合だった。

そして、どこまで通用するのかという意味で、
今のところの答えが出そうなのが、次の浦和戦。

今日の川崎はそもそも、
短いパスを主体とするサッカーだから、
プレスがかかりやすかったと思う。

それが、川崎以上に個の力があって、
両サイドの脇を突くのが相当うまい浦和にも、
通用するのかどうか。

1週間前なら不安でしかなかったけど、
今は、楽しみでしかない。

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