なでしこジャパンW杯準優勝 【後編】

■なでしこジャパンW杯準優勝 【前編】の続き

ただ、文化になるには、まだまだ時間がかかる。

しばらくは結果を残し続けて、
女子サッカー人口を地道に増やし、
確率論的に、能力の高い選手を生み、
その選手たちによって、
なでしこジャパンが結果を残し続けるっていう、
好循環を続けるしかないと思う。

そうしてサッカーをする女の子が、
安定して生まれ続ける状況を作らなきゃいけない。

さらに、なでしこリーグなど女子サッカーを観る人を、
多いまま、なるべく減らさないことで、
女子サッカーが日常に入り込むようにしたい。

Jリーグで一番観客が多い浦和レッズは、
1stステージ終了時点で、ホームゲームに
1試合あたり4万人以上のお客さんを集めているのに対して、
女子の浦和レッズレディースは、
現時点でホームで4試合戦って、1試合平均2354人。

クラブや地域への思い入れがあっても、
なでしこリーグに足を運ぶ人は少ないのが現状。

それに女子サッカーのレベルは、
なでしこジャパンが男子の高校チームに負けるように、
男子と比べて大きく劣るわけで、
女子サッカーを競技として楽しむだけじゃ難しい。

選手たちのがんばりだけでは、
女子サッカーがある日常になっていきにくい。

だから運営する側が、
文化を作る作業も、必要になると思う。

前回のワールドカップ後のなでしこブームのとき、
女子サッカーの試合だったか練習に、
カメラを持ったおじいちゃんが多く詰めかけて、
写真を撮る姿が多くあった。
おじいちゃん曰く「男子よりもゆっくりだから、
写真を撮りやすい」らしい。
「動くものを撮る勉強になる」という人もいた。

女子だからテンションが上がるっていうのも、
おじいちゃんの中にあるかもしれないけど…
熱く盛り上がるJリーグとは、
別の楽しみ方がそこにはあった。
被写体としての女子サッカーも、悪くないと思う。

あとこれは例えばだけど、日曜の昼間に、
まったりとサッカーでも見ながら、
ごはんとお酒を飲む場になってもいいかもしれない。
スタジアムに美味しいグルメを集めて、
花見のような場として提供するのもアリだと思う。

サッカーの魅力だけじゃなく、
女子サッカーが、地域で日常になるための提案を、
たくさん考えていく必要があると思う。

来年には、リオ五輪が開催される。
文化にするため、まだまだ結果を残す必要がある。

予選は、すぐに始まる。

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