スポーツの国際大会と、テレビの関係

“真の野球世界一を決める大会”
「プレミア12」が終わったので。

スポーツの国際大会と、テレビの関係について。
この前書いた「イミテーションの木」の話補足として。

スポーツの国際大会の中継は、
サッカーW杯やオリンピックみたいな、
とんでもない放映権料のイベントじゃない限り、
1つか2つのテレビ局が放映権をとって、
放送される形が多い。

例えば…
日テレ…ラグビーW杯、サッカークラブW杯
テレ朝…世界水泳、サッカーW杯最終予選
TBS…世界陸上、ときどきバレーボール
テレ東…卓球世界選手権
フジ…バレーボール、体操世界選手権、柔道世界選手権 などなど

今回のプレミア12は、テレ朝とTBSだった。

そうなると、放映権を持っている局は、
視聴率をとるため、大会をどうにか盛り上げようとする。

ニュースや情報番組では特集を組み(組まざるを得ず)、
バラエティ番組でコラボ企画をして(させられて)、
世の中に広く告知をする。
「大事な大会だから見なきゃ感」を演出する。

それが「プレミア12は真の世界一を決める大会」など、
実際よりも盛った形でのプロモーション。
「今年のボジョレーは50年に1度の出来栄えです」みたいな。

そうすると、野球みたいに、
もとから興味を持ってる人の多いスポーツだと、
じゃあ見てみようという気持ちにさせられる人が多く出る。

郵便受けにマンション販売のチラシが入ってても、
興味なくすぐに捨てる人でも、
ピザのチラシを見ると「ピザとろうか」ってなるみたいに。

あとは、日本が世界にどれだけ勝つかで、
盛り上がりの爆発度が決まる。

僕はこの前書いたように、
プレミア12がイミテーションの木で、
情熱も夢も持たない 張りぼてだとしても、
誰かを楽しませるのならいいと思う。

それにこの大会で野球を見ることで、
野球に興味を持ち始める人がいるだろうし、
野球のルールを理解する人がいるだろうから、
盛り上がるプラス面はきっとあると思う。

ただテレビは、イミテーションの木に人を集めるため、
本物の木だと勘違いさせることがある。

その結果生まれる虚しさ、嫌悪、無関心が、
野球とって、プラスとマイナスどっちなのか。

耳の聞こえない音楽家だとプロモーションされ、
その音楽家の物語に惹かれて聞いた作品が、
ゴーストライターによるものだと分かったとき、
実は耳が聞こえていたと知ったとき、
人は作品をそのまま愛せるのか。

結論はなくて申し訳ないけれど、
それがテレビということを知ってもらえたらと。

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