まだ4歳とか5歳のころ、
隣の家まで50メートルは離れていて、
辺りにはだだっ広い空き地が広がり、
目の前の道路は車がギリギリすれ違える程度。
それが住宅地が2つでき、
家の前の道が広くなり、
家の裏の養鰻池跡や田んぼの間に道が作られ、
さらに住宅地ができていった。
最近では近所にスーパーができていた中、
ついに、家電量販店やさらにスーパーなどが入った、
ショッピングセンターができたという。
それが最初の写真。
田んぼや空き地がある中に、
突如として現れたショッピングセンター。
30年という時間をかけた、
リアル・シムシティ。
なんだかワクワクする。
ただ、実家へ帰るたびに、
母からの写真がLINEで届くたびに
変わっていく周りの景色には、
楽しさと同時に、どことなく寂しさもあって。
夏になると毎晩うるさかった
うしがえるが鳴く声は、
今では車が走るエンジン音に変わっている。
小川は道の下に隠れ、
網を持っていても魚を捕まえる場所はなく、
アメンボが浮いたり、タニシがくっつくような、
ちっちゃな池もない。
鰻が跳びはねていた池はなくなり、
臭いエサのにおいもない。
ただ、そんな無機質になってく町並みに
寂しさを感じるのは、
僕の日常が東京にあって、
実家は非日常になったからっていうのもあって。
故郷への、身勝手な思い。
町はきっと、まだ発展していく。
そのたびに、きっと複雑な感情になるんだろうなぁ。