2017 ルヴァン杯第2節 5年後、10年後の勝利のために

Jリーグルヴァン杯第2節、
清水はホームで札幌と対戦し、0-1で敗れた。

ルヴァン前節の柏戦と同じように、
ターンオーバーして臨んだこの試合。

新外国人のチアゴ・アウベスやカヌ、
さらにユースの平墳を初先発させた試合は、
連係の無い前半と、個人技では
押し切れなった後半という感じで敗れた。

最注目はチアゴ・アウベス。

ストライカーや2列目のアタッカーとして
期待されている“本物外国人”だけど、
コンディションがまだ万全じゃないのと、
試合から離れていて試合勘が不足していること、
一人で何とかしようとしすぎたことで、
流れの中ではいい場面がなかった。

ただ外れたものの強烈ミドルを見せたり、
セットプレーのキッカーとして、
いい弾道の球を蹴っていたのを見ると、
コンディションも戦術もフィットすれば、
かなり使える感じだった。

今の清水の選手たちにないものを
持っているのは確かで、
面白い存在になっていくと思う。

あとはフィットする時期がいつなのか。
ガンバへ移籍してフィットする…
なんてことがないよう。

そして大きな意味を持つのは、平墳の先発。

堂々としたプレーで、
連係が悪い中でもしっかり収めていたうえ、
周りも見えていたわけだけど、
今回の出場は、クラブ全体にとって
大きな意義のあることだった。

平墳とベンチ入りした2選手は、
先週7日、2種登録された7選手のうち3人で、
8日に開幕した高校年代の最高峰リーグ、
「高円宮杯プレミアリーグ」のイーストに出場。

平川・久保という素晴らしい才能を擁する
FC東京を相手に勝利したその試合でも、
得点を決めた他に、随所で光るプレーを見せていた。

昨シーズン、清水ユースは
クラブユース選手権で準優勝、
ジュニアユースは史上2クラブ目の3冠を達成。

育成年代へのさらなる刺激は
クラブにとって重要で、
平墳の先発は、それだけで意義があり、
しかもそこで、堂々としたプレーを見せた。

平墳にとっては、プロのレベルを体感する機会になり、
同じユースの選手にとっては、
自分たちもやれるという自信になったと思う。
ジュニアユースの選手にとっては、
自分もいつか出場できると思うだけで、
普段から、プロを意識したプレーや生活ができる。

財政面で劣る地方クラブだけど、
静岡という、サッカーが古くから根付いてきた
これほどまでの土壌の素晴らしさは、
他のクラブにはないアドバンテージ。

畑を耕し、堆肥を撒くことは、
限られた畑の中で育つ数が増え、
大きくもなりやすい。
早く育つというより、茎が太くなる。

目の前の結果はもちろん追求すべきだけど、
同時に、5年後、10年後の勝利を、
今日の試合で生んでいるのかな、と思った。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です