2018年W杯アジア最終予選第9戦 進化の途中

ロシアW杯アジア最終予選・第9戦、
勝てばワールドカップ本大会出場が決まる日本は、
ホームでオーストラリアと対戦。

前半に長友のクロスを浅野が決めて先制し、
後半には原口のボール奪取から
井手口のミドルがゴールに突き刺さり追加点。

2-0の勝利で、 1試合を残して
グループステージ1位通過を決め
ワールドカップ本大会へ、6大会連続の出場を決めた。

この最終予選で変貌を遂げてきた日本代表の
1つの到達点を見た試合だったと思う。

思えば去年11月に行われた、サウジアラビア戦。
原口・久保・大迫が先発し、
本田・香川・岡崎がベンチに座った試合は、
「世代交代をした」とメディアで報じられた。

今日の試合では井手口・浅野が先発し、
みごとにゴールを決め、ハードワークもした。
若手がしっかり結果を残す最高のゲームになった。

ここ数年、スタメンが固定されて、
閉塞感の漂う試合、パッとしない試合、
最悪は勝てない試合が増えていた。

ケガなどで主力が欠場すると、
一気に機能しなくなって、
結果的に主力のコンディションが悪くても、
主力に頼らざるを得なかった。

そんな中で、コンディションのいい選手を
積極的に起用してきたことは、
ハリルホジッチ監督最大の功績であり、
今日の勝因のひとつだったと思う。

そして今日出場したメンバーは、
走れる選手であり、球際に強くいける選手。
華麗なパスサッカーではなく闘うサッカー、
ボールを奪いショートカウンターを仕掛ける
縦に早いサッカーをして、結果を出した。

コンディションによって、相手によって、
選手を変えながら戦えるチームになりつつある。

ただ、今日の日本のメンバーと戦い方で、
強豪国と戦って勝てるほど、世界は甘くない。

今日のオーストラリアは、
日本が苦手だったロングボールを使わず、
日本が戦いやすい、パスをつなぐサッカーをやってくれた。

完全に日本の戦い方がハマった結果で、
だから中盤でボールを簡単に奪えた部分も大きい。
中盤を省略されて縦へ早く運ばれたら、
今日ほどプレスはハマらなかったと思う。
(もしオーストラリアがその戦い方なら、
 今日の戦い方はしなかったと思うけど)

素早いプレスからボールを奪い、
ショートカウンター、ロングカウンターで点を奪う形は、
プレスが効いて初めてできること。

W杯本大会で、個人能力の高い相手と戦うとき、
うまくボールを散らされて、いなされたら、
奪えずに走る距離は増えて、体力を消耗していく。

もし前線で大迫がボールキープできず、
相手ボールになる回数が増えたら、
攻撃を受け続け、プレスをかける回数が増え、
消耗し、体力が90分もたなくなる。

ここからの課題になるのは、
ボールキープできる選手や、パスを回せる選手を、
どうやって組み合わせられるか。

例えば次のサウジアラビア戦に今日のメンバーでいけば、
中盤を省略されて、プレスがハマらないかもしれない。

今日の戦い方は、ひとつの形。
相手によって、どう選手を変えていけるか。

この予選で起きたことは「世代交代」ではなく、
新戦力の台頭であり、世代間の融合だと思う。

これからは、相手によって、
戦術を変えて戦えるチームにすることが、
本大会で高い到達点へ届くため必要なことだと思う。

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