J1清水の小林監督が、契約解除になった。
ボロボロでJ2に降格したチームを立て直し、
1年でJ1へ復帰させたものの、
今年は終盤の失速で最終節になんとかJ1残留。
成績不振が原因の、
いわゆる「解任」のような形だった。
小林監督の欠点は、選手のメンタルを、
うまくコントロールできなかったことだと思う。
終盤、消極的な戦い方になってしまったのは、
メンタルが弱い清水の選手たちに、
ネガティブになりがちな言葉をかけたせいもあったように思う。
例えば守備的に戦うというメッセージは、
守備でバックラインが大きく蹴るだけのサッカーになり、
2-3の逆転負けを喫してしまった新潟戦、
2-0でリードして迎えたハーフタイムに、
「2-0は危険なスコア」とわざわざ伝えたことは、
選手のメンタルを消極的にして、機能不全に陥らせたと思う。
あと、外国人選手が最後までフィットしなかったのは、
小林監督が言葉を端折るクセがあることで、
うまく伝わらなかった部分もあるんじゃないかと、
勝手に想像したりもする。
J2のように戦力で上回り、
選手が勝手に自信を持てる環境では大丈夫だったけれど、
J1で苦しいとき、言葉の力が必要になったとき、
うまくいかなかった印象がある。
という、悪かった面を書いたけれど、
それ以上に功績は大きくて、
小林監督は、いい監督だったと思う。
2016年のJ2、戦力が十分あったとはいえ、
どうやって勝つのか分からなくなってるチームを
きちんと立て直し、1年でJ1に復帰させたのは、
簡単なことじゃない。
そして今シーズン、ケガ人続出で、
チームの軸がコロコロ変わるうえに、
補強した選手も欲しいポジションと違うような中、
どうにかやりくりして、J1に残留させた。
今ある食材をやりくりして、
なんとか形にして出してる、食堂のおやじ。
そんな経験と実績がある監督にも関わらず、
これだけ不安定なチームになったのは、
監督以外の部分にもっと大きな原因があると思うべきで。
選手たちのメンタルの弱さ、
ズレた補強をする強化部、
ケガ人が続出するようなトレーニングと
メディカル体制・食事指導、
スタジアムでヤジを飛ばすだけの観客。
クラブ自体が変わらない限り、
成績は上がりにくいし、安定して上位で戦えない。
次の監督は気になるけれど、
それとともに重要なのがクラブ全体の改善。
じゃないと、小林監督のように、
力を発揮しきれずクラブを去る監督が続いてしまう。