2018W杯ロシア大会 グループH第2戦 全体の連動で積み上げた勝ち点

2018ワールドカップロシア大会・グループH
日本は第2戦でセネガルと対戦し、2-2で引き分けた。

前半早々にミスから失点したものの、
それを引きずることなく冷静に戦い、
2度リードされたものの追いついてのドロー。

セネガルを内容で上回る時間帯も多く、
「勝てた試合」と思えるほどの試合だった。

前半の立ち上がりを見たときは、
どう耐えるかが勝負だと思った。
セネガルのプレスはコロンビア戦の比ではなく、
日本はそれをかいくぐれるように思えなかった。

でもセネガルは、その後、沈黙した。
最初の勢いで90分戦えるわけがないけれど、
あそこでひるまなかった日本が、
セネガルの個人技もスピードも、ある程度封じた。

というのも、日本は選手全員、連動して戦えていた。
選手同士が信頼して、自信を持って、
そしてピッチ上で考えて戦えていた。

象徴的だったのは前半44分、
日本が自陣ゴール近くで与えた、セネガルのFKの場面。
そこで、セネガル6人を置き去りにする、
キレイなオフサイドトラップが決まった。

2018年に、こんなにも大胆でキレイな、
オフサイドトラップを見られるとは思わなかった。

オフサイドのルール改正以来、
オフサイドトラップが失敗しやすくなっている中、
消極的なメンタルなら絶対にできない罠を、
日本の選手たちが仕掛けたこと自体に意味がある。

消極的な気持ちなら行わなかったはずで、
積極的な気持ちだからこそ、できたと思う。
その精神状態に、今大会の日本の強さを見た気がした。

個人のミスが出て失点しても、
めげないメンタルを、選手たちが持てているわけで。

2回追いつけたという「粘り強さ」や、
「諦めない」と評される戦いも、
全体が自信をもって戦えていた結果。

もちろん粘ってたし、諦めなかったけれど、
それはやる気なさそうに見える試合だって一緒。

やれる自信や周りへの信頼があるから、
プレーの精度が高くなり、全体が連動でき、
全体をコンパクトに保てて、相手に早く寄せられたり、
ボールを奪うことができる。

ボールを持った選手が冷静に相手をかわし、
必ず誰かが近づいてボールを受けられる。
距離感がいいし、迷いがないから、
パスが回り、しっかり決められて、結果が出る。

結果論ではあるけれど、
監督交代がプラスに働いたのはここで、
選手たちがコミュニケーションをとりながら、
前向きに取り組めているんだと思う。

大迫や柴崎などが高いパフォーマンスを出せているのも、
チーム全体の連動性を見逃せない。

これで次節は、セネガル×コロンビア戦の結果に関係なく、
引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる。
セネガル×コロンビアの結果によっては、
日本は敗れても決勝トーナメントに進める。

そして相手のポーランドは、
グループステージ敗退が決まっている。

そんな日本にとっては断然有利な状況を作れた中、
大事になってくるのは、
これまでの2試合と同じ精神状態で戦えるかどうか。

積極的な姿勢で、自信を持って戦えれば、
これまで2試合と同じ結果を残せると思う。

あともうひとつ、どうメンバーを入れ替えられるか。
3連戦の3試合目で、中3日。
疲労がある選手もいるはずで、
3人前後の交代があってもおかしくない。

ちなみにGK川島だけがどこか消極的で、
この日も1失点目は中途半端なパンチングからで、
あと中途半端な飛び出しをした場面もあったりと、
1人だけ迷いや中途半端なところを感じる。

でも、川島を変えると今度は、
変わったGKとディフェンス陣の連係問題で、
チーム全体のパフォーマンスを落とす危険もある。

連係に不安があるのなら川島のままでいいし、
代わったGKでも問題なければ代えればいい。
そこは現場しか分からない。

とにかく積極性をなくさないよう、
大一番に臨んでほしいと思う!

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