ロシアW杯で思う「日本らしいサッカー」とは何か?

日本らしいサッカーとは何か?

ハリルホジッチ前監督が3年間唱えてきた
「デュエル」と「縦に速いサッカー」らしきものは、
解任によってW杯で結果を見ることができず、
有効だったか分からないまま終わった。

一方で今大会、短期間で仕上げて結果を出している、
トップ下を置いた「パスサッカー」が
有効といえるかといえば、即席すぎて分からない。

…といった感じで、日本らしさを探ろうとしていた。

「縦に速い」とか「デュエル」とか、
「パスサッカー」とか「トップ下を置く」とか、
サッカーのシステムやスタイルに、
日本らしさを見出すものだと、僕は思っていた。

でも、W杯での2試合を見て、
そういうのは表面的なことで、
もっと根底にある部分が大事なんじゃないかと思い始めた。

日本らしいサッカーというのは、
もっと日本人の根底にあるもの。

日本人にとってずっと変わらない、
そして変わらずにいたい、
「協調性」「信頼関係」「和を重んじること」が、
日本らしいサッカーにつながるんじゃないか。

システムもスタイルも、
そのとき日本に出現した才能ある選手や、
時代に合わせればいい。

日本らしいサッカーは、
日本人だからこそ世界最高レベルまで高められる
「全員の連動性」にあるんじゃないか。

監督と選手がピッチ内外で
しっかりコミュニケーションをとって、
連動しながら臨機応変に戦えば、
それはどんなシステムで、どんな戦術だろうと、
日本らしいサッカーといえると思う。

日本人は、指示されればしっかり従う。
献身的にプレーし、和を乱さない。

それは協調性として、全体がまとまる反面、
厳しすぎる指導をされると萎縮したり、
従うだけになってしまって、積極性や発想力を失う。

そのマイナス面が出てしまったことが、
たぶんハリルホジッチ前監督のミスで、
縦に速いとか、デュエルとかのスタイルの問題で、
結果が出なかったわけじゃないと思う。

日本人の積極性や発想力を失わせる指導で、
ハリルホジッチはうまくいかなかったんじゃないか。

というか、ハリルホジッチの解任理由のひとつが
「選手とのコミュニケーションや信頼関係の問題」
だったわけだから、今さらではあるけれど。

日本の陸上男子400mリレーが、
リオ五輪で銀メダルを獲得したのは、
世界一のバトンパスがあったからだった。

ひとりひとりのタイムを単純に比べれば、
世界2位にはなれないけれど、
協調性や信頼が技術として最高レベルに達して、
世界2位になることができた。

日本らしいサッカーも、それに近い気がする。

スペインの技術的な連動性とも違う、
人間性がベースにある、全員が連動したサッカー。

そう考えると今大会は、
日本らしいサッカーを見つける重要な大会に見えてきた。

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