2018 J1 第29節 こんな静岡ダービーを見たかった

昨日のJ1第29節、清水はホームで
磐田との静岡ダービーを戦い、5-1で勝利した。

清水は前半開始わずか50秒、
ドウグラスの中盤でのボール奪取から、
ショートカウンターで北川がゴール。

さらにそのあとも追加点を重ね、
終わってみれば2トップが2ゴールずつを挙げての圧勝。

チーム力、個の能力、まとまり、ダービーへの熱さ、
すべてにおいて磐田を上回った清水が、
静岡ダービーを制した。

結果と同時にうれしかったのは、静岡ダービーへ向けて、
清水の選手たちが口々に闘争心をむき出しにし、
その気持ちをピッチ上で表現できたことにある。

これまでは磐田の方に、よりダービーへの熱さを感じていた。
それはチームを率いる名波監督が
「清水はじゃんけんでも負けたくない相手」と話すように、
見る側に伝わる言葉が、磐田の方が強かった。

一方で清水の選手たちは、ここ数年の低迷で
ダービーよりもJ1残留で精一杯だったり、
生え抜きの選手が少ないことで、静岡ダービーに
心から熱くなる選手が少ない時期もあって、
どこか「34試合のうちの1試合」という雰囲気があった。

それが1年前に磐田に0-3で敗れたとき、
北川が涙を流したように、徐々に変わり始め、
今日の試合、清水の選手たちの熱さは、
磐田の選手たちを大きく上回っているように感じた。

磐田戦へ向けた選手たちの「ただの1試合ではない」というコメント。
本来は良くないことではあるけれど、
ドウグラスが大久保から悪質なラフプレーを受けたとき、
北川が大久保へ真っ先に詰め寄った姿。
試合終了後に喜びを隠さずピッチ上で記念写真を撮る姿。
勝ちロコ前、キャプテンの竹内が、なんか叫んでる姿。

清水のスタメンの多くは、
全員清水でキャリアをスタートさせた生え抜きで、
生え抜きが主力になったことで、熱さを発信する選手が増えた。
サポーターと同じ感覚と温度で、ダービーを戦った。

「磐田が嫌い」「清水が嫌い」
なぜか?J参入時の因縁?1999年チャンピオンシップ?
きっとよく分からない。なんか嫌いだから、でいい。

小さな因縁や、ピッチ上でのいざこざ、選手の言葉、
近場にいるお互いのファンの存在、メディアの煽り、
そして今日の5-1という結果。あらゆる要素が積み重なって、
静岡ダービーはダービーであり続けるんだと思う。

正直、試合内容としては、今日の清水は普通だった。
カウンターを狙うあまり、縦に蹴り過ぎて、
リズムを崩してしまう時間帯もあった。
選手同士の距離は、最近の中ではさほど良くなかった。

ただ、それでも前線のドウグラスがチートだった。
北川もスーパーな選手に成長した。

ちぐはぐな磐田のディフェンスラインは、
清水の2トップにとって、格好の餌食だった。

前線の2人でなんとかしてしまう。
だから縦へ蹴り過ぎてしまうわけだけど。

とはいえ、チームの全員が
しっかりと相手に寄せられていたし、
連動したプレーは随所で見られた。

こうした連動性はもう、チームのベースとして、
でき上がってきていると言っていい。

熱い気持ちがピッチから伝わってきたのは、
このベースがあるからで。

この結果、残り5試合で自動降格圏まで勝ち点差10。
暫定ながらJ2との入れ替え戦(プレーオフ)まで勝ち点差9。
とりあえず残留は大丈夫だと思う。

それよりも近いのは3位のACL圏内。勝ち点差6。
上位陣が足踏みを続ける中、可能性がなくはない。

シーズン終盤にこのポジションにいるのが久しぶり過ぎて、
どう捉えればいいか分からないけれど…
とりあえず、このチームが野心をむき出しにして、
上を目指す姿を見たい。

ここ数年で、最高の静岡ダービーだった。

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