2019年のJリーグが、開幕した。
清水は明日開幕戦を迎え、ヨンソン監督体制2年目で、
“手が届きそうで、あわよくば上にもいけそうな目標”の、
5位以内を目標に掲げている。
■チーム全体として
昨シーズンの戦力と戦い方をベースに、
3人のブラジル人など新戦力を加え、
4-4-2に加えて3-6-1にも取り組むという、
ここ数年には見られなかった
“真っ当な進化”を遂げようとしている。
選手の人数を減らして保有30人という適正人数になったうえ、
手薄だった守備の選手をきっちり補強したことで、
ようやくクラブとして正常なバランスになってきた。
多くのベテランと契約を更新しなかったことで、
メンタル面での脆さが心配ではあるけれど、
昨シーズン、心身ともに成長した選手たちが、
今シーズンもやってくれると信じたい。
■守備面
守備では、そんなに大きくは崩れないと思う。
六反・ソッコは確実に計算できるし、
2018年Jベストイレブンのエウシーニョも折り紙付きの実力。
そして何より、チーム全体での守備ができるから、
大崩れすることはないとは思う。
あとは、本職のCBで立田がどれだけ力を発揮できるか、
新加入でJリーグ経験のない2人のブラジル人・
CBのヴァンデルソン、守備的MFのヘナトが、
どれだけ日本のスピードに順応できるか。
彼らが能力を発揮できれば、後ろに安心感が埋まれ、
攻撃陣の不安が減り、攻撃のスイッチが入りやすくなり、
攻撃力が増す結果にも結び付くと思う。
■攻撃面
で、その攻撃力は、カウンターだけじゃない
進化が求められるシーズンになりそう。
相手を崩す攻撃が、どれだけできるようになるか。
昨シーズンの清水は、リーグ2位の得点数。
でも、その得点の多くはカウンターだった。
ポゼッション率は、リーグワースト2位。
ボールを持って崩した得点は、そう多くない。
ボールを持てば勝てるわけじゃないけれど、
ボールを持って攻撃できなければ、
手詰まりになる場面が、どうしても出てくる。
不整脈で復帰時期未定のドウグラス不在の間に、
ドウグラスに頼らずとも得点できる、
攻撃の組み立てを完成させたい。
(ドウグラスの中国移籍は…とりあえず考えない!)
そしてカウンター頼みじゃなくなれば、
日本代表・北川へのマークが厳しくなる中で、
重戦車のテセも生きてくるはず。
3バックで北川の1トップになるなら、
昨シーズン、北川ドウグラスの2枚のカウンターで
相手を破壊していたのができなくなるわけで、
ますます崩せる形が必要になる。
ましてや夏に北川が海外移籍という可能性もあるわけで、
前線の能力に頼り過ぎない攻撃の形を、
しっかりと構築しておきたい。
あと得点源としては、セットプレー。
ディフェンスがさらに高くなり、
セットプレー1発の得点力も上がっていそう。
内容が悪くても勝ち点を積み上げられる得点源が
増えることは、プラスになるんじゃないかと思う。
■開幕戦について
相手の広島は、ACLプレーオフで120分戦い、
中3日で開幕戦に臨む。
広島がどういうトレーニングをしてきたか分からないけど、
開幕直前のタイミングで120分、中3日はたぶんきつい。
開幕直前に一番強度の高い走り込みをしたようなもの。
マラソンでも、走り込みをして練習量のピークを迎えたあとは、
徐々に練習量を落として本番に臨まないと、
疲労が残って体が重くなるわけで、
運動量と出足では、清水の方が上回れそう。
中盤でどれだけボールを奪えるかが鍵。
切り替えを速くして、カウンターを決めることが、
開幕戦の勝ち点3へ向けて重要になりそう。
結局、昨シーズンの強みを生かす戦い方に
戻るわけなんだけども…ドウグラス抜きでも
カウンターが決まれば、それも成長なんじゃないかと思う。