2019 天皇杯4回戦 物語性のある勝利

2019年天皇杯、清水は4回戦で磐田と対戦し、
1-1で延長戦でも決着つかず、PK戦の末に勝利した。

水曜開催ながら、次節まで1週間以上空く日程で、
ほぼベストメンバーで臨んだ試合は、
内容が相変わらず悪く、チャンスシーンは数えるほど。

それでも敗戦濃厚だった後半ラストプレーで同点ゴール、
PKでは西部が2度のストップをして、劇的な勝利を収めた。

これで清水は天皇杯5年ぶりのベスト8、
鳥栖との準々決勝にコマを進めた。

この試合の主役は、GKの西部だった。

1か月前のJ1リーグ札幌戦、
0-8の大敗を喫した清水のGK西部は、
この日まで出場機会が巡ってこなかった。

屈辱的大敗のあと、出場がなかったのは西部ただひとり。
それだけに今日の静岡ダービーへの思いは、
38歳にして「ターニングポイント」と事前に考えるほど、
サッカー人生がかかった戦いだったという。

そんな今日の戦いで、1失点はあったものの、
PKを2つも止め、自らのプレーで勝利を手繰り寄せた。

その物語だけで、この試合は観る価値がある。

スポーツの試合には、試合ごとのドラマがある。

今日でいえば、清水敗退濃厚の後半終了間際に、
泥臭くも入った、同点となるオウンゴール。

しかも静岡ダービーという負けられない試合、
天皇杯という負けたら終わりの大会で、
後半ラストプレーで同点としたドラマ。

そして、好きなクラブをずっと見ていると、
チームや選手の浮き沈みにもドラマがある。

それが今日の試合でいえば、西部が主役になった瞬間。
1か月前の0-8でボロボロになった大ベテランが、
人生をかけた一戦で、勝利を手繰り寄せたドラマ。

試合内容は褒められたものじゃなく、
退屈な時間が長かったけれど、
今日の試合に限っては、物語で退屈は吹き飛んだ。

天皇杯、あと2つ勝てば、
2020年元日の決勝に進める。

ちなみに2005年シーズンの天皇杯、
準優勝に終わったときのGKが西部だった。

新たな物語を、見たい。

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