昨日、ボクシングの世界一を決めるWBSS、
バンタム級決勝で、井上尚弥がドネアに判定勝ち。
井上がバンタム級の世界一に輝いた。
KO勝利確実と言われていた井上が
判定勝ちだったにもかかわらず、
井上の評価を高めた試合だったと思う。
それは井上が2回にドネアのパンチを浴び、
右目の上をカットしたことで、
「ドネアが二重に見える」という難しい試合を、
巧みに操って勝利しただけじゃない。
パンチを浴びず早期KO勝ちが多かった井上が、
打たれても強く、12回まで戦えるボクサーだったことに、
底知れぬ強さを感じただけじゃない。
井上がパンチを浴び、壮絶な打ち合いになったことで、
応援したくなる存在になった試合だった。
これまで完璧で、負ける雰囲気すらない井上は、
応援しなくても勝てる存在だった。
性格としても完璧で、爽やかで、いいパパで、
ボクシングに人間模様や反骨心、泥臭さを期待する人には、
面白みに欠ける存在でもあったと思う。
そんな井上が初めて見せる「壮絶な戦い」や、
必死の形相、血を流して戦う姿、負けるかもしれない様子に、
ボクサーとしての魅力を初めて感じた人も
多かったんじゃないかと思った。
僕もこれまでは「何回でKOするかな?」と、
どれだけスゴいものを見せてくれるのかを
期待する思いで見ていたけれど、
この試合は、初めて応援に力がこもった。
人を惹きつける試合。
次も応援したくなる試合。
最高の判定勝ちだったと思う。