2019 J1 第34節 最終節でJ1残留決定

J1第34節、清水は最終節にホームで
鳥栖と対戦し、1-0で勝利を収めた。

自力で残留を決めるには勝利が必要だった清水は、
いつものようにミスは出ていたものの、
積極的な守備、寄せの速さで致命傷には至らず。
攻撃でもわずかながら、組み立てができた場面も。

すると後半、ドウグラスのスーパーゴールで先制。
その1点を守り切り、7試合ぶりの勝利となった。

その結果、最終節でJ1残留が決定。
序盤戦と終盤戦で苦しんだシーズンは、
最終的に12位という、なんだか残留争いを
していない風の位置でフィニッシュした。

今日も内容は、決して良くなかった。
相変わらず攻撃の組み立てはうまくいかず、
守備ではあたふたする場面もしばしば。
失点につながりそうな危険なミスも1度じゃなかった。

それでも内容は、チームが調子を落とす前に少し戻った。
集中して守り、ドウグラス頼みのサッカーで
勝ち点を拾えていたころの、現実的なサッカー。

前半戦の対戦同様、鳥栖にミスが多く、
個でもある程度の余裕を持てたことで、
いわゆる「気持ちを見せて」戦う姿が見てとれた。

攻守に積極性を失わずに戦えたのは、大きかった。

これまで不甲斐なかった試合でも、
選手たちは気持ちを見せようとしていたと思う。
でも、結果として気持ちが見えないプレーになることもあった。

原因は、チームとしての自信のなさや不安のような、
消極性にあるんじゃないかと思ったりする。

守り切れない不安、得点できない不安、
そんな中で戦うから、プレーに迷いが生じる。
それが一瞬の遅れになり、球際に激しくいこうにも、
相手に寄せる前に回される。寄せきれない。

あと試合前に準備していたことが通用しなかったとき、
修正できないまま攻撃を受け続ける場面も多かった。

これまでピッチ内で声がもっと出ていれば、
準備していたことと違っても、
選手同士でやることが明確になるから戦いやすくなり、
判断スピードが上がり、積極性も増してなかっただろうか。

今日の試合の場合、自力残留には勝つしかなく、
不安より、なんとかしてやるという気持ちが上回り、
積極的な戦い方になった部分があるかもしれない。

そのおかげか、ミスも出ていたけれど、
ミスを気にせず次のプレーもチャレンジできていた。
試合を通して気持ちが見えたし、
守備での寄せが速くなっていた。

この精神状態で毎試合戦えていれば、
終盤の大失速はなかったんじゃないだろうか。

ドウグラス頼みとはいえ、勝ち点を拾えていた気がする。

そしてもうひとつ、もっと根本的な問題として、
クラブとしての何かが足りていない。

というのも、監督が何人変わっても、
選手がどれだけ入れ替わっても、
チームがまったく良くならないわけで、
クラブとして、問題があるとしか思えない。

例えば鹿島は、選手が入れ替わっても、
強い時代が長く、新たな選手が次々と活躍する。
チームにしっかりとしたスタイルというか、
鹿島の空気のようなものがある。

清水には、そういったクラブの色が見えない。
清水はどんなサッカーをやりたいのか分からない。

いつまで経っても試合に敗れた理由として
「ピッチ内で意思疎通が図れていなかった」
「選手同士で声が出せていなかった」
その程度のレベルの声があがってしまう。

クラブとして強くなるための「空気」が感じられない。

それは選手個々の問題であるのと同時に、
クラブとしても雰囲気作りが足りていない証拠。
選手が入れ替わってもそうなるということは、
クラブ全体に漂う何かが、欠けているとしか思えない。

心臓の病気で、脳を手術しても、病は治らない。

今シーズンはまだ天皇杯があるけれど、
クラブとして変化しなければ、
また来シーズンも、残留争いになってしまいそう。

変わらないと、ずっとこんなだと思う。

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