2020 ルヴァン杯第1節 新体制…久しぶりに味わう楽しさ

2020年のJリーグ開幕に先立ち、
清水の今シーズン公式戦初戦となった
ルヴァン杯第1節は、アウェイで川崎と対戦。

新監督でサッカーのスタイルをガラリと変えて迎えた
新生エスパルスお披露目の試合は、1-5で敗れた。

前半20分ごろまで、大混乱といった様子で、
2失点以上に危うい出来だったものの、
その後は落ち着き、やりたいサッカーに近いものも見えた。

新しいことに取り組み始めて1か月、
1-5というスコアほど下を向く必要のない、
ポジティブな気持ちになれる試合ではあった。

新体制の公式戦初戦として、
決して悪くない内容だったと思う。

昨シーズンの、ゴール前でブロックを固めて
ドウグラスのカウンターに賭けるサッカーから、
今シーズンは前線からのプレスにハイライン、
相手を崩すサッカーという180度の方向転換。
キャンプ含めた1か月で完成するはずがない。

しかも相手はチームとしての完成度が高い川崎。
昨シーズンまでの清水は、ただただ耐えるだけで、
一方的にボールを持たれ、やられ続けていた相手。
苦し紛れのクリアをして、ドウグラスさん何とかしてください!
という、目も当てられない内容だった。

だから今日、前半20分くらいまでの混乱ぶりは、
やっぱりまだこうなっちゃうか…という気持ちだった。

相手に寄せてもいなされたり、
息の合ったプレーでフリーの選手に出される。
ボールを持っても落ち着きがなくズレる。
90分間サンドバッグを覚悟していた。

でも、清水がスピードに慣れ始めたり、
2点差で相手が落ち着いたのもあってか、
20分あたりから清水がボールを動かし始めた。

どうボールを奪うか、どうボールを動かすか、
どう選手が連動して動くかが、でき始めた。

相手からプレッシャーを受けたとき、
ダイレクトでフリーの選手に預けるなど、
川崎を軽くいなしながらボールを運ぶ様子は、
まだまだぎこちないながらも、
やりたいことができていた場面だった。

まだ、ボールを受けたり出したときの
パスやトラップなどコントロールミスがあって、
停滞したり、ボールを奪われる場面があるけれど、
落ち着きや慣れで、改善していけそうな内容。

90分間、川崎のドリルを解いた試合。

間違えたことを直していければ、
いつか高得点をとれそうな気がした。

そして、外国人新戦力が良かった。

特にゴールキーパーのヴォルピの足元やフィードは、
それだけで見る価値があると思った。
ラインを高く保つサッカーに合っている選手で、
的確で最高の補強だと思う。J屈指。

フィードからのカウンターで、
苦しい試合も勝ち点を積み上げられるかもしれない。
加入間近のカルリーニョスへのフィードで、
何かが起こりそうな感じはする。

センターバックのヴァウドも、
足元があって落ち着いたプレーができて、
軸として十分期待できる選手に見えた。

横浜FMの前例は、いい方にも悪い方にも転ぶ。

選手たちは今日のように大敗したとしても、
横浜FMという成功例があることで、
今やってるサッカーを信じ続けられる。

一方で、相手は横浜FM対策を参考に、
清水の弱点を突いてくるはずで、攻略されやすい。

しばらくの間、いろんな意味でガマンできるかが重要。
試合で失点をガマンできるか、
チーム作りがうまくいかなくてもガマンできるか。

応援する側としては、ガマンさえも楽しめる内容だった。

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