J1第11節、清水はホームで
横浜FMと対戦し、3-4で敗れた。
昨シーズンの横浜FMコーチ・クラモフスキーが、
清水の監督になって初めて挑んだ師弟対決は、
攻撃的サッカーが、真っ向からぶつかり合う打ち合いに。
積み重ねてきた組織をベースに、
個の力が炸裂した横浜FMが一枚上だったものの、
清水も十分、魅力的なサッカーを展開。
清水の昨シーズンからの成長を感じる試合だった。
攻撃に重心を置く両チームなだけに、
パスや個人技で突破する場面が多く、
エンターテインメントとして面白かった。
清水は負けたけれど、決して悪くなく、
これまでの試合の中でも特に攻撃がスムーズで、
決定的な場面をたくさん作れていた。
決め切る力があれば、結果は分からなかった。
横浜FMが攻撃的なことのほかにも、
前節から先発を6人を入れ替え新加入選手もいたこと、
連係のせいか連戦のせいかスペースがあったことなど、
清水は攻撃しやすい環境だったとはいえ、
“直属の先輩”を相手に、十分な出来だったと思う。
今シーズンのこれまでの試合と比べても楽しく、
昨シーズンのつまらない試合と比べれば、
枯れ木に花が咲いたくらい、見違える姿があった。
「負けても面白かったと思えるサッカー」
それはときに自己満足だと思われがちで、
つまらなくても勝つサッカーの方がいいとされるけど、
リーグ戦、すべての試合に勝てるわけじゃない。
ある程度の負け試合も経験するわけで、
スタジアムで観戦したときに、
お金も時間も使う行動をとったにもかかわらず、
つまらないサッカーをして負けたときのストレスは大きい。
それが特にアイスタの場合は、
電車とバスを乗り継いで、山をのぼって辿り着き、
ただストレスを溜めて帰るのはつらすぎる。
サッカーが日常にある静岡だから、
スタジアムでサッカーを見続ける人は多いけど、
満員のお客さんで埋め続けるには、
いいサッカーやったのに負けた悔しさで帰りたい。
勝っても負けても面白いからと、
人にスタジアムへ行くことを勧めたくなるような。
今日、スタジアムへ行った人がどう感じたか分からないけど、
僕なら、悔しさの中に楽しさを感じて帰ったと思う。
相手の強さや戦術にもよるけれど、
今日みたいな試合が増えるといいなと思った。
クラブの方向性は間違ってないし、
チームが少しずつ良くなってるのも間違いない。
もちろん、まだまだ発展途上だけど。