対策には根拠があるはずで

新型コロナの陽性者数が大きく増える予測を受け、
小池都知事は都民に対して、さまざまな要請をした。

そのひとつとして、
「買い物は3日に1回ぐらいに減らしてください」と話し、
スーパーのレジ列について、
ソーシャルディスタンスが守られず「密になっている」と
苦言を呈するなど、会見で厳しく語った。

それを受けて午後のテレビの情報番組では、
レジに詰めて並ぶことが本当に感染の原因になるのか、
データや根拠を示してほしいと、疑問の声があがっていた。

国や都が効果的な策を打てないのは、しょうがない。

だって国民が、ノーガードで会食をしちゃうわけだし、
テレワークできる会社や仕事でもテレワークしないとこがあるし、
キャバクラやホストクラブ、風俗とかに行って感染しては、
それを隠して生活しちゃうわけだし。

でも国も都も、国民に要請するときに、
ただ締め付ける言葉を並べるだけで、
新型コロナ対策の考え方を伝えられていないのも事実。

マスクしてレジに並ぶことがなぜダメなのか、
根拠を示せない、感染の事例を示せない、
普通に考えれば接触がなく、飛沫が飛ぶわけでもなく、
リスクが低いように思えるのに、ピンポイントで指摘されれば、
そこには反発と混乱しか生まれない。

もちろん距離を保たないより保った方がいいのは分かるし、
多くのスーパーでそれは守られていることだから、
できてないところが目に付くのは分かるけど、
具体的に指摘してまで、そのリスクを排除する必要性を感じなかった。

だって、根拠が示されていないから。

そのあと番組では、感染症の専門家で、
新型コロナ患者の診療をしている医師が、
陽性者の感染経路について語った。

医師は、陽性判定が出た60人ほどに、
保健所で行っているような行動形態を時間をかけて聞いたという。
その結果、ほぼすべての人に何らかのエピソードがあり、
主な感染経路はやっぱり「会食」「マスクなしの会議」だった。

本当に感染経路が分からない人は1人~2人で、
例えば「テレワークしている」かつ「会食してない」かつ
「1人暮らし」といった人だったという。

そして「満員電車に乗ったか」
「スーパーへ行ったか」も聞いているものの、
陽性になった人は「会食」をした人が圧倒的に多かったという。

ちなみに、陽性者数の10倍近く検査をしている中で、
テレワークをしていて、会食の機会がない人は、
陽性にならないとも話していた。

都道府県から出る最近のデータは、
「飲食よりも家庭内感染が多い」とか
「感染経路不明の割合が多い」といった話ばかり。

でも医師がデータをとったように、
隠すことなくしっかり経路を話してもらえば、
やっぱり会食が多くて、満員電車やスーパーは少ない。

もちろん1人の医師のデータだから、
偏りがある可能性もあって、
完全に信頼できるものじゃないけれど、
隠さず話した、リアルなデータのひとかたまりではある。

コロナ禍で2年目のゴールデンウィークを前に、
根拠を示さず、強く要請する都知事。

それが変異株という、新たな脅威だとしても、
都知事が引き締め効果を狙ってるにしても、
都民が理解や納得ができるメッセージを発せられていない。

誰が都知事をやったって、うまくいく対策なんて
打てないと思うけど、根拠を示すくらいはできると思う。

何も考えずに従う人は、何も考えずに緩む。

国や都の根拠を示さないメッセージは、
波が来るたび、波が大きくなる一因だと思う。

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