新型コロナウイルス感染拡大の影響で、
中断しているJリーグ。
清水が磐田と練習試合を行った。
1試合90分×2本(45分×4本)で行われ、
清水は今週から本格的に取り組んだ3バックを試し、
主力と控えを混ぜたようなメンバーで、
それぞれの試合に臨んだ。
1試合目をDAZNで、2試合目を清水のインスタと
磐田のYouTubeチャンネルで生配信した異例の練習試合は、
2試合合計11-2という、清水の大勝に終わった。
静岡ダービー大勝とはいえ、今日は練習試合で、
お互い選手も戦術も試す場だから、
結果よりも今の取り組みの状況に注目したい。
一応主力メインっぽい1試合目は、
清水が3-2の逆転勝利。
ただ、勝ったとはいえ、内容は良くなかった。
まだまだ3バックの完成度が低かった。
磐田の寄せが早く、裏を取る動きにもやられ、
ボールをあまり保持できず、
ディフェンスの対応の悪さで2失点した。
3バックの動きがまだ染みついていないのか、
ボールの出し手も受け手も考えて動く分、
タイミングが遅れて、磐田の速い寄せに引っかかっていた。
今シーズンの中断前、川崎戦やFC東京戦では、
どちらも負けたものの、ボールを動かせていた。
試合内容としては、それなりに良かった。
そのときのスムーズさがまったくなく、
ディフェンスラインから前へ運ぶのもうまくいかず。
守備では、失点シーン以外でもディフェンスが危うく、
決定的な場面をたくさん作られていた。
控えメインっぽい2試合目は、
1試合目と打って変わって、清水が試合を圧倒的に支配。
前半からやりたい放題で得点を重ね、8-0の大勝。
磐田が1試合目より選手のレベルが相当落ちたのと、
磐田の寄せの甘さもあって、清水がほとんどボールを保持。
練習試合とはいえ、なかなか見られない点差となった。
たぶん1試合目のメンバーと、
3バックの成熟度ではあまり変わらないはず。
だから2試合を平均して考えた方が良くて。
2試合目で磐田のレベルがガクッと落ちたのに対して、
清水がレベルの変わらない2チームを作れたから、
2試合目にこれだけの大差がついたんだと思う。
つまり、延期の影響で過密日程になるだろう今シーズン、
清水はこのままチーム作りを進めていけば、
メンバーが入れ替わっても、あまり変わらない
パフォーマンスを見せてくれそうな期待が持てた。
そして、本来なら4バックの成熟度を
試すこともできた試合で、
あえて3バックを試したのも良かったと思う。
5月9日の再開を目標にしているJ1で、
まだ1か月以上の練習期間があるわけで、
たぶん4バックと3バックはこれからも取り組むかもしれない。
特にブラジル人選手の多くが離脱中で、
復帰したときにどっちがフィットするか分からない。
過密日程でどのポジションが薄くなるかも分からない。
横浜FMで研究されている戦術なだけに、
選手の個性によって4バックも3バックもできるよう、
準備しておくのは、重要になると思う。
あと、これからも1か月以上は練習が続くわけで、
3バックという新しいことを取り入れるのは、
選手への刺激という意味もあるかもしれない。
3バックを試し、課題と収穫の両面を手にできたのは、
練習試合として良かったんじゃないかと思う。
長い練習期間で、チーム全体が
レベルアップしつつあるのを確認できた。
いつ再開できるか分からないけれど、
これからも週6日という鬼スケジュールで、
チームも選手個々も成長していくんだろうと、
期待を持てる練習試合だった。
それと最後に。
世界中であらゆるスポーツがストップしている中、
練習や練習試合ができていること、
その試合を配信で2試合分も見られることは、
それだけで幸せなことなんだと思った。
こんな世の中だからこそ、
多くの人にワクワクする気持ちを提供できる練習試合、
いろんなクラブが配信できるといいなと思う。
今日の磐田側の立場だったら、
同じことを言える自信はないけども。