2021 J1 第1節 清水らしからぬ試合

2021年のJ1第1節、
清水はアウェイで鹿島と対戦し、
3-1で開幕戦に勝利した。

昨シーズンJ1ワーストの70失点の清水は、
ロティーナ新監督のもと、新加入選手7人が先発。
一方の鹿島は、監督も選手も昨シーズンから継続し、
完成度の高いチームで試合に臨んだ。

清水は昨シーズンとまったく違う堅い守備、
鹿島は清水の綻びを突くため前線から激しいプレス、
そんなつばぜり合いで、前半はお互い静かな展開。

それが後半、鹿島に先制点が入ると清水が猛反撃。
3分後に同点ゴールを挙げると、
10分間で3点を奪い、みごとな逆転勝利。

清水は攻撃や連係はまだまだで、ミスも多いものの、
「根っこの変化」を感じられる試合だった。

いい意味で清水らしからぬ試合、
悪い意味で鹿島らしからぬ試合だった。

スキがないはずの鹿島は、先制後にどこか緩んだ。
先制されると下を向きがちだった清水は、
今日は相手のスキを見逃さず3点を奪った。

ピッチ上の選手たちは、
昨シーズンよりも遥かに落ち着いていて、
相手に対応していて、引き締まっていた。

試合に派手さはなかったけれど、
確実に相手を仕留める大人のサッカー。

僕は戦術論はよく分からないから、
ロティーナ戦術やら可変やらレーンやら、
難しいことはよく分からない。

まだ1試合だから、これが通用し続けるのか、
たまたまなのかは分からない。

ただ、何かが違う雰囲気は感じ取れた。
(まあ昨シーズンもそんなこと思ったけど……)

変化のひとつの要因は
「声」が出ていることだと思う。

ここ数年、選手たちはインタビューで
「もっと声を出していきたい」と話すものの、
どうやらそれは改善されず、
いつになっても「声を出したい」の声ばかり挙がっていた。

それがピッチ内でのコミュニケーション不足になり、
試合中の修正力のなさや、連係の悪さ、
失点後の落ち込みなどにつながっていると感じられた。

でも今日の試合では、
権田がポルトガル語で指示を出せば、
竹内が権田を介してヴァウドと対話していた。

そういう雰囲気があれば、
一般的に他の選手もコミュニケーションをとろうとする。
特に真面目な選手が多いという清水では、
周りの雰囲気に引き上げられる部分もあると思う。

監督の交代、選手の大量加入、守備の構築、
いろんな部分にあって、たぶんいい方向に働いたんだと思うけど、
「声」のような根っこの部分の変化は、
チームが前向きにプレーする姿勢につながっていく。

クラブもそこが足りないことを認識していたから、
権田や鈴木義宜など、キャプテンシーのある選手を
次々と獲得したわけで、確実に成果は出ていると思った。

ここから3月中は、リーグ戦とルヴァン杯で、
週2試合の過密日程が続く。

攻撃面の構築はまだ進んでおらず、
この日程だとそこまで良くならないだろけど、
とりあえず今の守備がベースになっていれば、
個で勝負できる攻撃のタレントが揃っているだけに、
勝ち点を拾っていけるように思えた。

あと全体的に試合勘がまだ足りてないのと、
サンタナなど軸になる選手との連係もまだまだで、
単純なミスやズレからボールを失うことも多い。

守備から作ったチームの第2段階として、
攻撃面を引き上げられるか。

今年は、例年とは土台の固さが違う気がした。

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