開始1分、平山のヘッドが決まった。
2試合連続、通算2点目。
あっけなく決まったゴールに、観客は拍手や喜びよりも先にざわめいた。
国立西が丘サッカー場で行われた、関東大学サッカーリーグ第5節。
2位の国士舘大学と3位の筑波大学が戦った。
僕が観に行った目的は3つ。
母校・筑波大学の(声は出さないけど)応援が50%、
平山がなんぼのもんなのか見るためが45%、
日焼け5%。
僕はこの会場での1試合目、
中央大VS順天堂大の後半開始ごろに到着した。
記者もカメラマンもまばら。
それが2試合目の筑波大戦が始まるころには、
記者席に二十人近い記者やスカウトらしき人たちと、
筑波が攻める側のゴール裏にカメラマンが十数人が陣取ってた。
筑波っていうより平山が攻める側っていうか。
自分のいる客席に目を向けると、観客数は3000人くらいいただろか。
年齢層はバラバラで、平山ギャルはそんなにいなかった気がする。
もちろん平山が出るから来てる人も僕含めて多いんだろうけど、
どっちかっていうと40代〜50代のサッカーフリークが目についた。
そういえば、高校サッカーの会場にもその世代がかなり来てたって、
サッカー専門誌に書いてあった気がする。
学生闘争の世代だから“学生”の戦いに興味があるのか、
個人的な選手の発掘が目的なのか分からないけど。
とりあえず、年輩の人が多かった。
2試合見てる人も多くて(筑波の前には中央大VS順大の試合があった)、
応援しに来たっていうよりは、
子供たちががんばる姿を見に来たって雰囲気もあった。
1試合目を見てたときは、
0−4で負けてる赤いユニフォームの中央大に対して、
「赤チーム、点入らないわね」って話してるおばあちゃんもいた。
僕は筑波大蹴球部員の斜め後ろに座ってた。
確信犯じゃなく、真ん中座ったら自然と。
試合前からメガホン使って大声で応援する部員の後ろで、
少しでも日焼けできるよう七分丈のパンツをまくって観戦開始。
茨城の大学なんだけど、
静岡出身選手が多いからか清水エスパルスのコールを多く使う部員に、
自分がOBだってこと以上の親近感を覚えた。
平山のゴールが生まれたのは、
蹴球部員がスタメン全員の名前をコールし終わる前だった。
【後編】へ続く |