2004年05月08日 筑波の平山は本物の平山か?【前編】

 開始1分、平山のヘッドが決まった。
 2試合連続、通算2点目。
 あっけなく決まったゴールに、観客は拍手や喜びよりも先にざわめいた。

 国立西が丘サッカー場で行われた、関東大学サッカーリーグ第5節。
 2位の国士舘大学と3位の筑波大学が戦った。

 僕が観に行った目的は3つ。
 母校・筑波大学の(声は出さないけど)応援が50%、
 平山がなんぼのもんなのか見るためが45%、
 日焼け5%。


 僕はこの会場での1試合目、
 中央大VS順天堂大の後半開始ごろに到着した。
 記者もカメラマンもまばら。
 それが2試合目の筑波大戦が始まるころには、
 記者席に二十人近い記者やスカウトらしき人たちと、
 筑波が攻める側のゴール裏にカメラマンが十数人が陣取ってた。
 筑波っていうより平山が攻める側っていうか。

 自分のいる客席に目を向けると、観客数は3000人くらいいただろか。
 年齢層はバラバラで、平山ギャルはそんなにいなかった気がする。
 もちろん平山が出るから来てる人も僕含めて多いんだろうけど、
 どっちかっていうと40代〜50代のサッカーフリークが目についた。
 そういえば、高校サッカーの会場にもその世代がかなり来てたって、
 サッカー専門誌に書いてあった気がする。
 学生闘争の世代だから“学生”の戦いに興味があるのか、
 個人的な選手の発掘が目的なのか分からないけど。
 とりあえず、年輩の人が多かった。
 2試合見てる人も多くて(筑波の前には中央大VS順大の試合があった)、
 応援しに来たっていうよりは、
 子供たちががんばる姿を見に来たって雰囲気もあった。
 1試合目を見てたときは、
 0−4で負けてる赤いユニフォームの中央大に対して、
 「赤チーム、点入らないわね」って話してるおばあちゃんもいた。

 僕は筑波大蹴球部員の斜め後ろに座ってた。
 確信犯じゃなく、真ん中座ったら自然と。
 試合前からメガホン使って大声で応援する部員の後ろで、
 少しでも日焼けできるよう七分丈のパンツをまくって観戦開始。
 茨城の大学なんだけど、
 静岡出身選手が多いからか清水エスパルスのコールを多く使う部員に、
 自分がOBだってこと以上の親近感を覚えた。

 平山のゴールが生まれたのは、
 蹴球部員がスタメン全員の名前をコールし終わる前だった。


 【後編】へ続く