今日、父方のおばあちゃんが他界した。
95歳の大往生だった。
足腰が弱ってるくらいで、
病気をしたわけじゃなく、
静かに息を引き取ったという。
いわゆる老衰だった。
おばあちゃんは、長男の家族と暮らしてて、
前は僕の実家から100mくらいの場所に家があった。
僕は子どものころ、
おばあちゃんの家へ行っては、
一緒におはじきしたり、お手玉したりして遊んでた。
おばあちゃんの部屋は2階にあるんだけど、
僕が家に帰るときには、
玄関まで降りてきて見送ってくれた。
で、僕が家へ帰る道で、
おばあちゃんの家の2階を見ると、
必ず、おばあちゃんが窓からこっちを見ていた。
僕が手を振ると、手を振りかえしてくれた。
僕の姿が見えなくなるまで、ずっと見守ってくれていた。
僕が最後に会ったのは、
今年の正月、1月3日。
このころには、もういつ亡くなっても
おかしくない状態だったらしいけど、
新年のあいさつに行くと、
おばあちゃんは風邪をひいてたにもかかわらず、
元気にあいさつをして、
「いつ来ただ?」「いつ帰るだね?」など、
僕の名前をハッキリと呼びながら話していた。
「また来るね」と僕が言って、
「ああ、またね」とおばあちゃんが言って、
玄関まで見送りに来てくれた。
最後まで、おばあちゃんだった。
そのあと風邪が治ったおばあちゃんは、
亡くなる2日前には、
美容室へ行って髪を整えたという。
息を引き取るちょっと前には、
部屋のトイレで用を足してから、
布団に入ったらしい。
そうして眠りにつくと、
ずっとずっとの眠りに入った。
いつも僕を見送ってくれた、おばあちゃん。
今度は初めて、僕が見送ることになる。