格の高さを感じたM-1グランプリ2019

M-1グランプリ2019で、
無名のミルクボーイが、出場5040組の頂点に立った。

ミルクボーイの漫才は、洗練されていた。
最小限の言葉で、最大限の笑いの数を作っていた。
振りもつなぎも、すべての言葉に無駄がない。

つかみだけが無駄だけども(笑)
でも、その緩さがその後のきっちりした漫才を
引き立たせていたのかもしれない。

優勝できなかったものの、
かまいたちの漫才は、ミルクボーイと同等かそれ以上だった。

物の見方の面白さに加えて、話の展開の幅広さ、
そして何より山内の強引なボケ展開に対して、
濱家がお客さんの感情にしっかり寄り添って
ツッコんでいるからこそ、笑いが大きくなっていた。

ツッコミが正常な人という意味での正統派として、
完成度が恐ろしく高かった。

というM-1の感想はともかく。

今回M-1でのベストシーンは、
審査員のオール巨人が、司会の今田耕司を叱った場面。

司会の今田耕司が和牛の漫才が終わり、
和牛の漫才スタイルについてわずかにコメントしたことで、
審査員のオール巨人が「それは僕らが言うから」とピシャリ。

こういう真剣な審査、ピリつきがあるからこそ、
M-1が「漫才コンテスト形式のバラエティ番組」ではなくて、
「漫才コンテストの生中継」という雰囲気になる。

他のコンテストは「番組が主」という印象の中、
M-1はあくまで「大会が主」という見え方だから、
審査員の厳しさと相まって、M-1の格が守られ続ける。

完成されたM-1という大会システムで、
完成度の高い漫才を見られた、最高の2019年大会だった。

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