有名な社会心理学のゲームに
「囚人のジレンマ」というものがある。
どんなものかというと…
共犯の疑いをかけられた2人の男を逮捕。
別々に取り調べを受けさせる。
検事は、この2人の囚人に司法取引を持ち掛けた。
●2人とも黙秘⇒2人とも懲役3年
●片方が自白⇒自白した方は不起訴、自白しなかった方は無期懲役
●2人とも自白⇒2人とも懲役10年
囚人は考える。
黙秘をすれば、懲役3年か無期懲役…
自白をすれば、不起訴か懲役10年…
つまり自白をした方が得じゃないか!
その結果、2人がお互いを信じて協力すれば、
2人とも懲役3年で済むというのに、
信用せずに、自分の利益を優先して自白してしまう。
つまり、「お互い協力した方が得な場面でも、
自分がより得する選択肢があったら、
協力せず自分が得する選択肢を選びがち」というもの。
(書籍「眠くなくなるほど面白い 社会心理学」より)
本でかじった程度だから合ってるか分からないけど…
なんだか、今の世の中に似ている気がした。
お互いが協力するかしないかという共通点で…
協力する⇒黙秘、協力しない⇒自白
協力する⇒営業や外出を自粛、協力しない⇒営業や外出の自粛をしない
と考えると…
●全員が営業・外出自粛⇒コロナ収束に近づく
●営業・外出の自粛をしない人がそれなりにいる
⇒自粛しない人が普通の生活をして得し、
自粛した人が収入を断たれたり普段の生活ができず損をする
●全員が営業・外出の自粛をしない
⇒普段の生活ができるけど、コロナ蔓延で死ぬ人も結構出るかも
世の中はそんな単純じゃないけど、
どことなく似ている気もする。
ちなみに「囚人のジレンマ」ゲームでは、
黙秘(協力)して自分が損する可能性があるのに、
このゲームを何度も繰り返したとき、
2人とも黙秘するようになったという。
つまり人は、長く付き合う相手に協力したくなる。
コロナの場合、長く戦うことで仲間意識になり、
そのうちみんなが協力するようになる、
なんて悠長なことは言ってられないだろうし…
長くなれば協力できなくなる人が続出するだろうし…
そもそもこのゲームのようにシンプルじゃないから…
自粛効果が数字で分かりやすく出なければ、
このゲームをやめる=自粛を解除するというのが、
現実的なんだろうなと思う。
無期懲役のような自粛は、世の中が崩壊する。