※5/23追記:チラシがVer.2にアップデートされてマトモになりました。
ちょっと前の話になるけれど、今も公開されてるので…
4月27日、スポーツ庁は新型コロナウイルス感染対策として、
スポーツするときの対策のチラシを公開した。
その中で、ジョギングとウォーキングについて触れた部分がこれ。
なかなか、イカれたチラシだと思う。
日本医師会の協力を得て作成されたにもかかわらず、
エビデンスの弱い例の「10m」情報が載ってるうえに、
見る人に誤解を与える表現が盛りだくさん。
チラシを見たとき、運動する側としてはこんな印象を抱くかもしれない。
「ジョギングするとき、10m離れないといけないのか」
「マスクしても10mとか5mとか離れないといけないの?」
運動しない側、特に新型コロナへの恐怖心が強い人は、
こんな印象を持つかもしれない。
「ジョギングしてる人はウイルスをまいてるから、10m離れないと!」
「ウォーキングで5m離れるってことは、
普通に歩いてる人とも、5mあけないとダメなんじゃない?」
10mや5mは一部の研究という注釈だとしても、
具体的な数字で出されてるから、印象に強く残る。
しかもスポーツ庁が出したチラシだから、
本当なんだろうという意識が働いてしまう。
問題を具体的に書くと…
▼検証段階の論文を引用して「10m」を記述した
▼しかもこの論文、感染症じゃなく、空気力学の専門家によるもの
▼10m離れる条件は14.4km/hという相当速いペース
▼なのに、ゆっくり走る人っぽいイラストで表現
▼10mというのは真後ろの距離なのにハッキリ書いていない
▼論文はマスクなしの場合のものなのに、
マスクをしてる人のイラストに紐づけている
悪意はないだろうから、単に資料作りがヘタなんだと思う。
このチラシを作ったり、承認した人の能力が足りないというか。
さらに、世の中の過剰なリスク回避に、
国が影響されて、過剰な啓蒙をしてしまってる気もする。
マスコミは情報の裏取りとして、このチラシを資料にする。
その結果、本来エビデンスの弱い情報が世の中に広まる。
走ってる側は、肩身の狭い思いをし、
走ってる人とすれ違う側は、怖さを感じてしまう。
政府は今後、体育の授業でマスク着用が必要かどうか、
スポーツ庁で専門家の意見を踏まえ、対応する考えだという。
それによっては、夏へ向けてチラシの内容も
少し修正があるかもしれない。
そして、体育の授業ももちろん大事だけど、
屋外を歩くときのマスク着用ルール(マナー)も考えないと、
マスクをした高齢者が、熱中症で死ぬ。
屋外では、マスクをつけなくていい境界線。
これはスポーツ庁じゃなく、他のどこかの仕事。
潮干狩り客やサーファーがいる海は本当に密集なのか?
そこそこ人がいるレベルでしかない商店街は密集なのか?
過剰な配慮にならないマナーを、発表してほしい。
本来はそれぞれで考えればいいことだけど、
自粛警察が暑さでマスクをしてない人を注意する事案が
発生しないよう、目安はしっかりと言ってもらえればいいなと。
ウイルス感染と熱中症の危険度を天秤にかけたとき、
熱中症の方が危険なんじゃないかと思うけど…
またイカれたチラシが生まれなければいいなと…。