ウイルス対策で、人の仕事が断たれてしまう

先日、美容室へ行った。

個人経営の美容室で、
経営者でもあるベテラン美容師と、
若い美容師兼アシスタント、
若いアシスタントの全部で3人の小さな美容室。

訪れると、いつもアシスタントがやってくれていた
シャンプーを、美容師が自ら担当した。

アシスタントはどうしたか聞くと、
7月いっぱいで、2人とも辞めていた。

そこまで狭くない美容室だけど、
新型コロナ感染防止策として、
同じ時間帯に1人しか客を入れていない。

客足はだいぶ戻っているとのことだけど、
しっかりした対策をとることで、
美容師をアシストする人は必要なくなってしまった。

1人はまったく違う業界で働き始め、
1人は実家へ帰ったという。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、
新型コロナの、いわゆる“第2波”感染者数が
「7月27~29日にピークに達した」と発表した。

でも同時に「今後も東京の感染報告数はある程度出てくる」と
話された通り、感染者がいなくなることはない。

そして、初期からずっと言われているように、
波は何度もやってくるだろうし、
感染症が流行りやすい冬に向けては、
その波がかなり大きなものになるかもしれない。

すでに多くの業界がダメージを受け、
倒産や閉店が相次ぎ、もし次にダメージを負えば、
終わるという会社や店は多くあるという。

それに加えて、僕が通っている美容室のように、
感染症対策をすること自体がダメージになり、
店を畳まざるを得なくなったり、
仕事を辞めざるを得なくなる人がいる。

飲食店とか他のジャンルもそうだけど、
真面目な店ほど、そういうことが起こる。

県外ナンバーの車に投石する人がまだいる。

他人と2メートルの距離を保てる屋外で、
とんでもない暑さの中でも、多くの人がマスクをしている。

国や都道府県からの
「そこまでの対策はやり過ぎですよ」
というアナウンスがまだまだ弱いし足りていない。

同時に、会社や店で感染者がいっぱい出たあと、
感染の細かな原因が、世の中にあまり伝わってこない。

換気が足りなかったからとか、飲み会をやったからだけじゃなくて、
換気が足りない中でどうしていたことが原因だとか、
飲み会のどんな行動が問題だったとか、
対策を考えるうえで大事な情報が足りないから、
全部の対策をせざるを得ない状況になっている。

一方で、ろくに対策をしてない店でも、
安全を証明するステッカーを貼れてしまうわけで。

真面目過ぎる感染症対策で、
夢を持った人が仕事を辞めてしまうという、
雇う側も、雇われる側も本望じゃない結果が、
これからなるべく増えないよう、
国や都道府県は考えてほしいなと思う。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です