笑いのトレンド

THE Wの優勝を決めた審査が物議。
他のコンビの方が面白かっただろ的な。

原因のひとつは、審査員が踏み込んだ発言をしないから。
M-1やKOCでは、ネタの良くなかった部分も指摘して、
採点の価値を高めているし、視聴者には分からない、
プロならではの目線があることで納得できる。

でも「THE W」の審査はバラエティ的で、
すべてを褒める。

ネタが後半の展開不足だったり、
裏切ることができていない発想だったりしても、
「どちらも最高に面白かった」「好みの問題」という、
逃げのコメントばかりが並んでしまう。

そして優勝決定後にコメントはない。
優勝が決まると、視聴率がグンと落ちてしまうから、
優勝決定後は短くする。

サッカーや格闘技などのスポーツ中継も、
ワールドカップ予選の大事な試合とかじゃない限り、
試合が終わったあとのインタビューは
極力短くして中継が終わるように。

日テレにとってTHE Wは、
ワールドカップじゃなくて親善試合だから、
そうなっちゃうのかもしれない。

というのはありつつ、今のお笑いは評価が難しい。

時代的に、よくできたネタよりも、
セオリー無視でメチャクチャなネタの方が、
面白がられる風潮がある。
正統派の芸人よりも、地下芸人が面白がられる。

テレビやネットを見れば、面白い芸人がいっぱいいて、
中堅どころもネタをやり続けるから、
面白いネタで溢れている。
技術を持っている芸人は腐るほどいる。

カレーじゃなくて、スパイスカレーじゃないと物足りない。
そんな中で、賞レースは破壊力が必要になる。

そしてコロナ禍でモヤモヤが続く時代、
情報で溢れてあまり考えたくない時代、
常識や正論ばかりが振りかざされる時代、
バカだな~と思えるものが欲されている。

今年のKOCが面白かったみたいに。

優勝者は妥当だと思う。

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