2015年のJ1、2ndステージに向けて、
最下位の清水が、長沢のガンバ大阪完全移籍と、
チョン・テセの加入を発表した。
どっちの移籍も、いい移籍だったと思う。
清水の戦い方に合わなくなっていた
192cmの長身FW長沢は、
外へ出ることが必要な時期だったと思う。
長沢が途中出場しても、
チームはその高さに頼りすぎたり、
逆に高さを使わなかったりして、
長沢をうまく使うことはできていなかった。
高速ドリブラーの村田のクロスがあれば、
状況は違っていたのかもしれないけれど、
清水が1stステージで最下位に沈んだことで、
その組み合わせを待てる状況じゃなくなっていた。
ガンバで結果を残して、日本になかなかいない
大型FWとして成功してほしい。
そして、チョン・テセの加入。
僕は攻撃面でも守備面でも、
フィジカルが強くて、決めきれるストライカーは、
補強ポイントだと思っていた。
そんな中、外国人枠が一杯で、
目ぼしい日本人選手がなかなかいない中、
チョン・テセは、素晴らしい補強だったと思う。
若手が多いのもあって、
フィジカルの弱い選手が多い清水は、
体をぶつけられてボールを失い、
カウンターから失点する場面が何度もあった。
パスで相手ゴール近くまでうまく運んでも、
シュートで終えることができず、
得点できないだけじゃなく、
反撃を許して失点する場面が何度もあった。
そして、パスを繋ぐサッカーをしたいなら、
バルセロナにもメッシとかが必要なように、
個で勝負できるストライカーは必須。
出場が早くても3節以降になるから、
どこまでフィットするかっていう問題はあるけど、
うまくいけば、攻守両方で変化が起こると思う。
そして、サッカーへの姿勢からも、
清水の若手が学べる部分は多いと思う。
4年ほど前、テセを取材した人に聞いたのは、
テセはハッキリと物を言う性格で、
サッカーに対してエゴイスティックな姿勢を持ち、
長年在日コリアンを背負ってきた強靭なメンタルがあり、
根っからの目立ちたがり屋で…などなど。
そのときから4年、ドイツでの活躍と挫折、
在日コリアンが韓国でプレーする難しさを経て、
31歳という年齢になったことで、
大人しい清水の若手に経験を厳しく伝えられる、
いいお手本になれるんじゃないかと思う。
そして逆境の中で戦い続けてきたテセは、
最下位の清水のメンタルに、
いい影響を与えてくれるんじゃないかと期待してる。
清水はここ数年、お金がなくて、
思うような補強を進めることができていなかった。
それが今シーズンの初め、
スポンサーからの広告料収入が増額されたことで、
シーズンが始まるころにウタカとデューク、
さらに今回のチョン・テセを獲得できた。
ウタカ・テセの大小ポニーテールコンビに、
大前や村田がうまく絡めたら、
その破壊力はJ1屈指といえると思う。
悪い位置でボールを失うことが減れば、
1stステージほどの失点をすることもないと思う。
あとはディフェンス面での不安。
チーム全体がどれだけディフェンスの戦術を理解して、
体を自然と動かすことができるか。
監督・コーチは選手に対して、どれだけ理解させられるか。
清水を知り、経験豊富な田坂コーチや、
ACミランで16年間メディカルトレーナーをして
戻ってきた遠藤メディカルアドバイザーが加わり、
サポート体制も素晴らしいものになった。
清水が変わるときは、来たと思う。
変わらなきゃならない。
って、毎シーズン思ってることだけど…
今度こそは…今度こそは!面白くなると思う。
だからいつも通り、ワクワクしてる。
やってくれると、信じる気持ちしかない。