J1第2節、清水はアウェイで
磐田と対戦し、2-1で今シーズン初勝利を挙げた。
3年ぶりの静岡ダービーは、
平岡監督が「自分たちで掴んだというよりも
転がってきた勝利」と表現した通り、冴えない試合。
清水はカウンター以外に形を作れず、
磐田はボールを回すけど攻撃に迫力がない中、
清水の方が、やや上回った程度という印象。
静岡ダービーとしても物足りなかったけど、
けが人続出の中での今シーズン初勝利は、
自信を失わないためにも、価値あるものだったと思う。
後半、磐田に2枚のレッドカードが出て、
終盤は11人対9人になったものの、
清水は決定力を欠いてトドメを刺せなかったのもあり、
勝利後の清水の選手たちは喜びより課題を口にしていた。
それは昨シーズン、DAZNのドキュメントに収録されていた、
残留争い中に運良く勝った程度の試合で、
空気が緩んでいたのとは対照的。
意識が一段階上がった証拠かもしれない。
もともとそうじゃなきゃいけないんだけども。
追加点を奪えないモヤモヤはあったけど、
選手たちの冴えない表情を見て、少しスッキリした。
そんな試合の中で、別格の存在感を放っていたのが、
20歳の鈴木唯人。
もともとドリブル突破での独特な仕掛けと
一瞬のきらめきがあり、よく走りハードワークをする選手だったのが、
昨シーズン終盤にはボールを運び、奪われない凄みが出て、
「得点のにおいがしない状態からゴールに迫れる」という、
ひとりで試合を動かす雰囲気をまとっていた。
あとは決定力だけ…という中で迎えた今シーズン、
開幕からリーグ戦2試合連続ゴール。
しかもサンタナ不在の中で、軸になっての2ゴール。
欠点のないストライカーに変貌を遂げつつある。
昨シーズン、大きなシュートミスが話題になったのを
「ツイッターでバズってる、有名になれた」と気にしないなど、
メンタル面もたくましい。
その活躍の裏には、昨シーズン途中加入した
松岡から受けた刺激があるという。
高い意識を隠さず表に出す同い年の存在は、
鈴木唯人の成長を促し、1月には日本代表候補に選ばれた。
高い意識を要求し続けている
日本代表・権田とともに、チームが向上心の塊になれば、
鈴木唯人に続く選手が出てくると思う。
10月にある次の静岡ダービーのころ、
鈴木唯人は海外にいる可能性もあるけれど…
今日の勝利後に選手たちが課題を口にしたような、
当たり前の向上心を持ち続ければ、
次は磐田を圧倒できると思うし、スッキリできる期待してる。