ロシアW杯アジア最終予選、
初戦で日本はUAEと対戦して1-2で敗れた。
日本はいつものようにチャンスを作りまくるものの、
決定的な場面で決めきれずに時間が経過。
日本の正当なプレーがファールになったり、
ゴールが認められない誤審があったとはいえ、
得点できない日本の悪さが出た。
アジア予選でこういうジャッジは、
これまでいくらでもあったわけで。
試合の鍵を握っていたのは、
代表初出場の大島僚太だった。
柏木のケガで、ボランチ・長谷部の相方は、
山口蛍か、大島かという選択になった。
そこでハリル監督がチョイスしたのは、
守備に特徴のある山口ではなく、
攻撃に特徴のある大島だった。
その結果、まだチームにフィットしてない大島は、
特に前半、周りと合わない場面が多かった。
すべて大島が悪かったわけじゃないけれど、
大島が2失点に絡んでしまった。
他でもパスが相手に渡るシーンが目立った。
トレーニングではうまくいってたのかもしれない。
ただ、本番ではうまくいかなかった。
アジア最終予選は、簡単じゃない。
たぶん、日本中がどんなに危機感を抱こうとしても、
ハリル監督がしっかり危機感を抱いたつもりでも、
それは本気じゃなかった気がする。
日本中に「W杯出場は楽勝」のムードが漂っていた。
だから、最終予選を全部中継するテレ朝は、
「初戦に敗れるとW杯出場確率は0%」と煽った。
今のホーム&アウェー方式になった
1998年のフランスW杯予選から、
初戦に負けた国は1つもW杯に出場できていない、
そんなデータを持ち出して、危機感を煽った。
そうでもしないと、
W杯に出場できて当然という楽勝ムードが、
最終予選への興味を失う原因になってしまう。
つまり視聴率は上がらない。
どれだけ頭では最終予選は簡単じゃないと
思っていても、本気でそうとは思えない。
僕もなんとかなると思っていた。
大島の出場も、経験豊富な選手たちの中で、
プラスに作用すると思った。
それはたぶん、緩みだった。
ただ象徴的に大島が目立っただけで、
その緩みというのは、チーム全体になかったか。
攻撃陣が、ゴールに押し込むだけの決定的な場面で
決め切れなかったり、
ディフェンス陣が簡単に突破を許したりしたことは、
一体どうして起こったのか。
日本人は危機感を抱くと、実力を発揮する。
この敗戦が、日本のパフォーマンスを上げる
きっかけになる可能性が、僕は高いと思ってる。
本気で危機感を抱くスイッチが入った。
そして1年後に最終予選が終わるまで、
そのスイッチは入ったままになっているはず。
0%からのW杯出場は、十分ある。