2017 天皇杯3回戦 意味ある当然の勝利

天皇杯3回戦、
清水はアイスタで福島県1部リーグのいわきFCと対戦、
2-0で勝ち、4回戦へ駒を進めた。

中断期間前ということで、
水曜日の試合ながらベストメンバーに近い布陣の清水は、
2回戦で札幌を撃破したいわきFC相手に試合を支配。

清水は、試合開始48秒で得点したこともあって、
精神的に余裕を持って試合を進め、
ジャイアントキリングに遭わず、
多く訪れたメディアをガッカリさせた。

いわきFCは、
J1から数えて7部にあたるカテゴリーでありながら、
2回戦にJ1の札幌に勝ったという衝撃と、
「日本のフィジカルスタンダードを変える」
という取り組みの面白さから、メディアが注目。

この試合が、3回戦屈指の注目試合になった。

僕はこの試合を、
翌朝にニュースとして報じることになっていたから、
清水が負けたらどんなテンションで
原稿を書いていいのかと、恐ろしかった。

それに清水が勝ったとしても、
ニュースではいわきFC目線になるうえ、
いわきのがんばった部分を報じようとするから、
フィジカルで上回られないでくれ!とも思っていた。

でも清水は、いわきにいい場面をあまり作らせず、
フィジカルでもやられるほどまでいかず、
メディアにとってみたら面白みのない試合にできた。

おかげで僕も、担当した番組で、
ディレクターが作った「先制点を奪われたものの、
いわきFCのフィジカルが、清水を上回っていた」
という文言を、突っぱねることができた。

清水の戦いぶりは、
いい意味で、去年のJ2後半戦のようで、
格下相手に試合を支配して、
きっちり仕留めることができていた。

そしてそれが、個人技に頼ったものではなく、
チームとして戦えていたことは大きい。

もちろん、いわきFCに個人能力で
勝っているから、個人技に頼らなくても
勝てた部分は大きいと思う。

とはいえ、土曜のガンバ大阪戦に続いて、
90分間をチーム全体で戦って勝てたことは、
勝つ感触と自信をつかむ、いいきっかけになったと思う。

さらに、この状態で
2週間ちょっとの中断があるのは、
チーム力を高めるうえでも大きい。
練習をポジティブな精神状態でできる。

中断明けの横浜F・マリノス戦で、
ここ2試合の戦いができれば、
チームはワンランク上のレベルにいけると思った。

そして、いわきFCについて。

Jリーグクラブとの練習試合を
たくさん組んでるのもあってか、
フィジカルだけじゃなく、普通の戦いができていた。

明らかに県1部レベルじゃなかったし、
J2の中位~下位のような雰囲気を持っていた。
最後の精度の低さも含めてのJ2レベルだけど。

そしていわきFCは今回、
メディアに分かりやすく伝わり、
全面支援のアンダーアーマー的にも大事な
「日本のフィジカルスタンダードを変える」
という言葉を発信していたけれど、
一番の理念は「いわき市を東北一の街にする」こと。

間もなくオープンする、
商業施設を併設したクラブハウスなど、
注目すべきことはこれからある。

スポーツクラブがあることで、
地域の人たちの暮らしに彩りを加えるような、
ヨーロッパ型の素敵なクラブ運営は、
ぜひ成功してほしいと思うし、

ライプツィヒのように“ヒール”として、
Jリーグを席巻する日が来てほしいと思う。

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