2020 J1 第26節 延長線上

J1第26節、清水はホームで
神戸と対戦し、3-1で勝利を収めた。

清水は成績不振を受け、前節の翌日・1日に、
クラモフスキー監督が契約解除。
平岡コーチが新監督に就任して2日後の試合だった。

新体制になって2日後、選手たちは前節から中2日。
対する神戸は1週間の休養がある厳しい条件も、
清水は前節から少し戻っていた攻守の連動性が見られ、
内容でも運動量でも相手を上回る上々の出来。

平岡新監督の初戦を勝利で飾った。

コーチからの昇格、前節から中2日で、
当然クラモフスキー前監督のサッカーを踏襲していた。

スタメンも、内容が良かった前節に、
ケガから復帰の竹内を変えただけという順当な布陣。

平岡新監督も就任の会見で
「ピーター(クラモフスキー)さんのサッカーを踏襲」
そのうえで「守備やゴール前のところ整備」
などと語っていたわけで、進む道は変わっていない。

クラモフスキー前監督が取り組んできた理想のサッカーを、
平岡新監督が現実に落とし込む作業をしてどうなるか、
というのが今シーズンの残り試合になりそう。

その初戦はとりあえず、安定した戦いぶりだった。

相手が神戸だった、というのを
差し引いて考えないといけないとは思う。

もともと清水にとって神戸は、
全体的にプレスが緩めだからやりやすい相手。

焦らずにプレーできるからか、
自分たちのやりたいサッカーに近いものを出せる。

だから監督が変わらなくても、
たぶん今日の良かったサッカーを
展開できていたんじゃないかと思う。

とはいえ、平岡新監督になったことが
関係なかったとは言い切れなくて、
中継でもたびたび聞こえた、平岡監督の大きな声は、
大人しい選手たちにとっていい影響があったはず。

平岡新監督も試合後
「みんなが声を出して戦ってくれた」と語ったように、
チーム全体がその声に触発されるのは大きい。

これまで試合でも練習でも声が出ていないという話は、
たびたびチーム内からあがっていて、
声の少なさが距離感の悪さ、連携の悪さ、修正力のなさに
つながっているんじゃないかと僕は思ってきた。

だからチームにとって、この変化が一番大きいように思う。

現役時代、ロングスローが武器だった平岡監督が、
監督になり声をロングスローして、
まずはチームに貢献したんじゃないかと思う。

クラモフスキー監督の交代は仕方なかった。

志す理想は良かったのかもしれないけれど、
結果が出ていなかったうえに、
修正できないまま、試合を重ねてしまった。

これまで何度監督が代わっても、
なかなか結果が出ないところを見ると、
監督のせいとは思えないけど、うまくいかなければ、
監督を代えるしか方法がない。

ただ、それでクラモフスキー監督が目指していたサッカーが、
否定されるわけじゃない。
クラブとして「RE-FRAME」したサッカーは魅力的だし、
いい内容なら負けても客を呼べる、
スタジアムからの帰り道に「また来たい」と思えるものだと思う。

それはクラブも分かっているはずだから、
今のサッカーの延長線上にある未来を描いていると思う。

平岡新監督がどう整理をして、
強固なフレーム作りをすることができるか。

2018年の清水ユースで
「史上最弱の世代」(とあえて平岡監督が称したチーム)を
全国クラブユース王者へと引き上げた、
平岡監督の手腕に、期待したいと思う。

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