五輪はスターが生まれる。
選手だけじゃなく、実況や解説者でも。
東京五輪スケートボードストリートの解説で
「やべー」「すげー」「ゴン攻め」など解説者らしからぬワードとともに、
分かりやすい解説をした瀬尻さんが鬼バズり。
感情表現のゆるさと、解説の分かりやすさ、
そこへマジメな実況・倉田アナの堅めな伝え方が、
見事なバランスで、心地いい音色を奏でていた。
長野オリンピックで
当時世の中に知られていなかった“モーグル”、
里谷多英が金メダルをとった滑りを解説した人(山崎さん)が、
「はしれタエ!」「やったぜ!」といった
感情を乗せた応援解説をちょっと思い出した。
初めて見る競技や種目で、
特に採点で争われるスポーツは、
技名やテクニックに寄りすぎると難解になり、
見る側は置いてかれてしまいがち。
でも解説が「やべー」と言ってると、
高得点だろなと感覚的に伝わってくる。
その競技や選手を愛する、
解説という権威ある立場にいる人が、
感情をのっけた言葉で興奮すると、
どれだけスゴいことが起こっているか感覚で分かる。
普通の解説者がきっちりしている中、
ラフな言葉が新鮮に響く。
そして、応援して見ている
僕らの感情とシンクロして、一層盛り上がる。
五輪という緊張感や見る側の応援熱、
さらに新鮮さがあってこそのものだから、
面白がり始めると飽きやすいものではあるんだけど、
東京オリンピックを彩り、盛り上げ、
スケートボードを「楽しいスポーツ」だと感じさせた、
すげー実況・解説だと思った。