パラリンピック開会式

パラリンピックの開会式が、
「私たちには翼がある」をテーマに、
ストーリー性のある内容で、日本人の心を掴んだ。

特に片翼の小さな飛行機を演じた
手足に障害を持つ女の子が、
演技初経験とは思えないみごとな表現力で、
逆風も力に変え、勇気を持って飛び立つ様子を表現した。

言葉がなくても通じるベタなストーリーを、
ジブリ風の登場キャラと、流行りの光の演出、
さらに「デコトラから布袋」のようなアクセントで、
分かりやすく、感動的にまとめたいい開会式だった。

「パラリンピックの開会式」として、良かったと思う。

とはいえ、オリンピックの開会式も
こういうストーリーあるがしっかりしたものが良かった、
というのは、僕はちょっと違うと思っていて。

いいストーリーだった、という開会式は、
オリンピックでは意味がないと思う。

オリンピック・パラリンピックのいろんなことが、
IOC主導で決まる中、
日本のPRになる部分がいくつかあると思う。

例えば…

開会式で伝わる日本の文化
マラソンの映像で伝わる日本の街並み
日本人と接した選手が発信する日本人の心

それが世界中へ魅力的に伝わることで、
日本を好きになってくれる人が増え、
日本へ行きたくなったり、日本のものを買いたくなったり、
日本のブランド価値を高めることになる。

そんなとき、いい話だけどどの国でも作れる物語じゃ、
いい開会式だったよね、で終わっちゃう。

それよりゲーム音楽が流れたり、ピクトグラムを演じたりする、
日本でしかできない物や発想の開会式の方が、
海外の人を、日本に触れたくさせられると思う。
オリンピックの開会式としては、価値があると思う。

オリンピックとパラリンピックを比べたとき、
同列だという理想はあるものの、
現実としてまだ注目度はまったく違うから、
オリンピックで日本をしっかり伝えることが大事になる。

そうすると、オリンピックの開会式では、
より強く日本の文化が伝わる内容になって、
パラリンピックの開会式は作品性に寄せられる。

もちろんオリンピックの開会式で、
もっと他にもPRする日本文化はあっただろうとか、
もっと違う演出があっただろうというのはあるだろうけど、
それでも、感動のストーリーではないと思う。

それぞれの目的があって、開会式が作られている。

オリンピックの開会式より、パラリンピックの開会式の方が、
じっくり準備できたらしい。

オリンピック反対の声も、
開会式のクオリティに影響したのは否めない。

なんかひどい言われような、
オリンピックの開会式が、いろいろかわいそうだなと思った。

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