J1第33節、清水はホーム最終戦で
新潟と戦い、2-3で逆転負けを喫した。
前半に全体が連動するいいサッカーで2点を奪い、
J1残留を決める勝利は確実かと思われた中、
後半は別のチームのように後手に回って3失点。
これで残り1試合、
降格圏・16位の甲府との勝ち点差は2となった。
メンタルが攻撃に傾いて積極性があるうちは、
いい試合になって、攻守での連動が続く。
守備に傾いて消極的になったとたん、
チームは別のものになってボールを回され、
攻撃を浴び続ける。
そんな「清水らしいサッカー」。
極めて悪い意味で。
選手も監督もメンタルの持って行き方を間違えている。
選手は2点リードの後半で、
運動量が落ちつつあるとはいえ、
意図していない中途半端な引き方で新潟の猛攻を許した。
疲労が原因のすべてじゃなくて、
このまま疲労が増して相手に対応できなくなって、
失点してしまわないかという気持ちが、
引いてしまった原因ではないか。
そして監督がハーフタイムのロッカールームで、
選手に言った「2-0は怖い」という言葉。
試合終了後のインタビューで、この言葉に愕然とした。
清水の選手たちに一番言っちゃいけない言葉で、
気を引き締めるんじゃなく、
ただただ恐怖心を増幅させただけじゃなかったか。
最後まで攻め切るメンタル。
最後まで守り切るメンタル。
それは本来、どっちも同じメンタルのはずだけど、
守り切れるか不安だったらば、消極的な気持ちになる。
守り切れる自信があれば、積極的な気持ちになる。
仙台戦は守り切るメンタルで0-0。
FC東京戦は攻め切るメンタルで0-0。
どっちも結果はドローだったけど、内容は良かった。
成熟したチームや、勝っているチームだったらば、
2-0は危ないと言われて積極的に守れるけど、
勝ちが少ない中で、良い言葉じゃなかったと思う。
小林監督がまだ清水の選手を分かってないのか、
心理を読む指導ができない監督なのか、
結構言葉をはしょる人なので、言葉がしっかり伝わらないのか。
選手の未熟さが一番の原因ではありつつ、
監督の対応も良くなかったと思う。
これで降格のラスト1枠は、
清水と甲府のどちらかになった。
清水が甲府より勝ち点で2上回っているとはいえ、
得失点差は甲府の方が上。
だから最終節、清水が引き分けて甲府が勝てば、
清水が降格となってしまう。
最終節の神戸戦、もう勝つしかない。
得点を奪うしかない。
でも、その攻撃に傾くメンタルは、
今の清水にとっては悪くない。
問題は、リードしたときにも、そのメンタルで戦えるか。
疲れて体が思うように動かなくなってきたとき、
不安が頭を蝕んでいかないか。
点を取られても取り返せばいい、
そんな気持ちを本心から持って戦えるか。
前の選手を、後ろの選手を、信じて戦えるか。
自分を信じて戦えるか。
勝利が必要な以上、守り切るという選択肢はない。
攻め切るという積極的なメンタルで戦ってほしい。