ロシアW杯 ベスト16の先へ

サッカーW杯、決勝トーナメント1回戦、
日本が敗れた昨日のベルギー戦について。

良かったのは、第1戦・第2戦と同じで、
選手同士の距離感。
ボールを持つ選手の近くに誰かが顔を出し、
必ずフリーの選手を作れていた。

それぞれが気を遣いながら動いているから、
ある程度、相手の個を抑えることができていた。

そして、日本の個の力も見逃せない。
大迫が前線でしっかりキープできて、
香川や乾が奪われずにボールを運ぶなど、
それぞれがベルギー選手と渡り合っていた。

その分、余裕が生まれて、
落ち着いた戦い方にもつながっていた。
攻撃を受け続けずに済んだ。

戦術に当てはめるのではなく、
選手の特徴を生かした戦い方をした
(時間的にせざるを得なかった)ことで、
選手たちの個は、最大限引き出されていたと思う。

僕は、大会直前のハリルホジッチ解任で、
「日本らしさ」を探す積み上げがゼロになり、
西野監督のもとでの準備期間が短い戦いは、
未来へつなげる考えは捨てて考えていた。

でも大会では、コミュニケーションをとりながら、
全体がしっかりと連動したサッカーをする、
「日本らしさ」みたいなものが世界に通用していた。

初戦のコロンビア戦に勝てたのは相手が10人で、
その後は勝てていないという結果はあるし、
ベルギー戦のスタメン11人がいたからこそ、
このサッカーができたというのもあるとは思う。

ただ、日本人の協調性をベースにした、
全体が連動しているサッカーは、
日本人に合ってるようには見えた。

次の監督が誰になるか分からないけれど、
ハリルホジッチの「デュエル」的な
メディア映えするキーワードよりも大事なのは、
素早い日本選手たちの、協調性を生かした連動性。

それは別に「パスサッカー」に限らない。
日本に出現した個性が、ドリブラーだったらば、
縦への速い攻撃を生かした連動性。

代表の活動は短いから、準備が難しいけれど、
連動するところをもっと突き詰めることに、
次のステージへ行ける可能性がある気はする。

監督と選手、選手同士の
コミュニケーションを大事にしつつ。

そしてやっぱり、大会直前の解任は、
良くないというのも、ハッキリと分かった。

日本が選手交代でギアを上げることができなかったのは、
西野監督のもとでの準備期間が短かったのが
影響していると思う。

選手の組み合わせの答えを、
スタメンの1つしか見つけられていなかった。

西野監督の下での準備期間はわずか2か月。
コンビネーションや攻撃のバリエーションは、
過去の日本代表での財産や、
選手たちがもともと持っている力によるものが大きかった。

ベルギーがフェライニなどを投入して
高さで迫ってきたときに、一気に劣性に立たされたのも、
臨機応変な戦い方だけではどうにもならない、
高さに対抗する積み上げが足りなかった。

やっぱりという感じだけど。

ワールドカップで優勝候補のベルギーを追い詰めた。
日韓W杯のころのベルギーでも、
最近の親善試合のベルギーでもない。

でも、ベルギーに2-0から逆転された。
日本はスーパーゴールをたたき込んだのに、
ベルギーには簡単にゴールされた。

埋まりそうで、埋まらない差。
壊れそうで、壊れない壁。

でも、埋まりそうだから埋めたくなるし、
壊れそうだから壊したくなる。

壁を壊すヒントは、あったと思う。


ちなみにこちらは「ナライニ(名良橋氏)」(2013年12月1日撮影)

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