J1第33節、清水はホーム最終戦で
神戸と戦い、3-3で引き分けた。
清水の好調ぶりと、イニエスタ効果で、
3週間前にチケット完売となった一戦は、
清水再建に尽力した久米GMの逝去や、
兵働の引退セレモニーもあって、
清水にとって、大きな意味を持つ試合だった。
試合はイニエスタの絶妙アシストで神戸が先制、
清水が追い付き、神戸がさらに2点とって引き離し、
清水が1点追い上げ、兵働が途中出場、
そしてGK六反が同点ゴールで3-3。
…と、得点経過だけを見れば、
最高に刺激的なエンターテインメントだけど、
実際は刺激が痛いだけの、残念な試合となってしまった。
試合が、壊れていた。
この試合は、後半アディショナルタイム(AT)が
18分50秒あたりで試合が終了するという、
史上稀に見る、珍しい試合だった。
後半ATに、清水の河井と立田が負傷し担架で運ばれ退場、
乱闘騒ぎも起こり、神戸に2枚目のレッドが出た。
(河井とぶつかった神戸の橋本も負傷退場)
さらに主審の時計が壊れたかのように、
試合終了が伸び続けた。
で、AT14分にGK六反が同点ゴール。
どれか1つだけでも珍しいのに、
2つも3つも重なった試合だった。
荒れた最大の原因は、主審の能力不足だった。
清水が追い付き、神戸が残留を決めるという、
最も平和な結果になっていなければ、
もっと騒ぎは大事になっていたかもしれない。
主審の罰する基準がおかしかったことで、
火事を未然に防げなかっただけではなく、
油を注いで、燃え広がらせてしまった。
試合開始直後から、おかしなジャッジはありつつ、
ATが伸び続ける直接的な始まりは、
後半ATに、清水の河井が負傷退場したシーン。
河井が相手選手とぶつかり頭を強打、
流血して担架で退場したプレーは、
神戸の選手の頭が遅れて、河井にぶつかっていた。
故意ではなく、神戸の選手に非はないけれど、
本来ならファウルか、試合を止めるべき場面だった。
ところが気付かず、試合を続行。
このジャッジをしてしまったことで、
変な基準が、主審と選手に生まれてしまった。
その結果起こったのが、
神戸のポドルスキが、上空のボールを追う
清水の立田に体当たりしたラフプレー。
体当たりの前、立田の位置をしっかり確認していた。
この危険すぎるプレーも、今日の主審はノーファウル。
ポドルスキのプレーは最低だったけれど、
主審の基準でノーファウルだから、
ポドルスキにしてみれば、何も悪いことをしていない。
そしてもうひとつ、ATの長さへの怒りからか、
すでに興奮状態だった神戸のウェリントンが、
AT15分に、清水の石毛にアフターで危険な体当たり。
怒った清水ベンチからピッチに何かが飛ぶと、
それを見つけたウェリントンが、清水ベンチへ行き激怒。
さらにポドルスキは、清水ベンチ内へと乱闘騒ぎを起こした。
主審に退場を言い渡されたウェリントンは、
なだめに入った清水GK六反を上手投げ。
主審は、火事を燃え広がらせ、
燃え尽くした段階で、水をかけただけだった。
ちなみに後半ATが、18分50秒あったのは、
妥当だったかどうかという話。
後半ATは「4分台」と掲示されたけど、
ATが提示される前後に、
交代とファールで1分近い中断があったから、
実際は「4分台+1分近く」のATがあったはず。
で、後半のATに入ってから、
六反のゴールまでで、プレーしている時間は約6分。
最大で解釈すれば、
六反がゴールを決めたコーナーがラストプレー。
最小なら六反のゴールより前に試合は終わっていた。
つまり確実なのは、六反のゴールより後も、
試合を続けたのが、おかしかったということ。
たぶん審判は、神戸のラフプレーにファールをとらず、
ケガ人が出てしまうレフェリングをしたことで、
バランスをとり、清水にチャンスが訪れるよう、
長いATをとってしまった。いわゆる帳尻合わせ。
その結果、さらに大きな問題が起こる悪循環に陥った。
残留争いも、昇格争いもないのに、
スッキリしなかったホーム最終戦。
来週は今シーズン最終戦。
清水の河井や立田、神戸の橋本の無事を祈りつつ、
最後は普通の試合を見られる楽しさを味わいたい。
ちなみにYahoo!ニュース スポーツカテゴリトップには…
後半AT14分に同点ヘッド決めたあと、相手FWに投げられるGKとかカオス