東京オリンピックのサッカー男子準決勝、
日本はスペインに延長戦で敗れ、
3位決定戦へ進むことになった。
大会前の親善試合とは全く違う、
本物のスペインはやっぱり強かったけど、
日本は手も足も出ず防戦一方、という印象はなかった。
1996年アトランタオリンピックで
ブラジルに勝った「マイアミの奇跡」とは違う、
神懸かっていたわけじゃない堅い守り。
スペインにボールを持たれ、
ゴールに迫られてはいたけれど、
しっかり寄せてクロスやシュートをブロックし、
スペインに完全に崩された場面は多くなかった。
だからこそ、スペインのオーバーエイジ、
アセンシオの左足に沈められたあの一瞬、
スローインからのほんのわずかなスキが悔やまれるけど。
スペインにはまだまだ敵わない、
そう思わされたのも事実ではありつつ、
敵わない相手じゃないとも思えた。
サッカーという競技が、
単なる実力差だけでは決まらない、
番狂わせが多いスポーツだからこそ、
余計にそう思えた、めちゃめちゃいい試合だった。
攻撃面は疲労もあってうまくいってなかったけど、
ときどきうまくいっていた後ろからのつなぎ、
久保や堂安が見せたさすがの実力など、
通用する部分は見えた。
A代表を率いる森保監督のチームとは思えない、
相手ゴールへ迫るボール回しに、
選手個々の能力の高さも十分、分かった。
今大会の個人視聴率を見ると、
サッカーは他の競技と比べて全年齢での高さが特徴的で、
中でも4歳~12歳のキッズ層が、他より高い。
高視聴率なだけじゃなく、ここまでバランスのいい競技は他にはない。
サッカーの面白さ、楽しさ、日本代表への期待感、
それを感じた次の世代が、きっとまた新たな歴史を作る。
決勝には手が届かなかったけれど、
この大会で手に入れたものは大きかったと思う。
そして、まだ3位決定戦がある。
銅メダルという結果を得ることで、
1968年メキシコ大会銅メダルという、
歴史を紐解く必要のない、
実感ある目標設定が、この先できるようになる。
日本でサッカーをする選手や子どもたちの自信になる。
次は2試合連続120分、中2日のあとの試合。
もうメダルはいいからありがとう、という気持ちもあるけれど、
未来へつなぐ銅メダルをとってほしい。